◇吉田慎二郎(40)愛知支部92期
デビュー21年目を迎えた2023年後期に初のA1昇格を果たした。これまで優勝経験が6回あっても最高位になったことは一度もなかっただけに「何ででしょうね。特に何も変わったことはしてないし、実力がアップしたわけでもない」と首をかしげる。
一番の要因は精神面の充実だ。昨年から129期生の女子レーサー・石原凪紗を弟子に迎え入れ〝師匠〟という肩書が加わり、立場が大きく変わった。「自分の成績はどうでもいい。なぎさちゃんがどうやったら強くなれるかを考えて一緒に練習するようになった」と弟子の成長に粉骨砕身の姿勢で取り組んでいる。同時に「弟子をとった以上は自分もみっともないレースはできない」と気持ちの面でも大きな変化が生じた。
飛躍の要因をさらに冷静に分析すれば7月の尼崎GⅡボートレース甲子園に参戦したことも飛躍の一端になった。
「常にペラ小屋が埋まっていて、みんなとにかく仕事をする。エンジンが出ている人が僕らよりも、これだけさらに仕事をすれば僕らが追いつくわけがない」
SGクラスの振る舞いやボートレースに取り組む姿勢を見て、それを後輩たちに伝えようと実感した。そんな思いを巡らせる一方で、強豪相手に「3カドまくりができたのはうれしかった」という5日目2Rの会心勝利をはじめ節間4勝をマーク。次なる大舞台へ向け自信になった。
2024年前期はまたしてもA2級に戻り、2期連続A1キープはできなかったが、その原因ははっきりしているだけに悔いはない。
7月の津でFを切ってしまい、踏み込みで無理できない状況になった。
「僕のレーススタイルはスリットを全速でのぞいて仕掛けるのが一番。さばいて同体から差し場を探すタイプじゃないですからね。そういう意味で(A1級を)キープすることも難しいなと感じたし、いい勉強になりました」
反省点は冷静に振り返り、次のステップへ――。「何でも経験ですから」と常に前向きに取り込む姿勢を貫き、そのことを若手に伝えていこうとしている。不惑を迎え「僕の背中を見て何か感じてもらえたら」と周囲の仲間とともに喜びを分かち合うことが、これ以上ない至福の時だ。「師匠」と呼ばれることも、今はすっかり慣れている。












