偉大な祖父に近づけるか。大相撲九州場所3日目(14日、福岡国際センター)、関脇琴ノ若(25=佐渡ヶ嶽)が幕内明生(28=立浪)を下して3連勝。土俵際でもろ差しを許しても慌てなかった。明生の寄りに肩越しの右上手を離さず、倒れ込みながら相手を裏返して逆転勝ち。決まり手の大逆手(おおさかて)は2010年初場所で把瑠都が垣添に決めて以来、13年ぶりの珍手となった。

 元横綱琴桜の孫で、元関脇琴ノ若の佐渡ヶ嶽親方を父に持つサラブレッド。かねて大関昇進のタイミングで「琴桜」を襲名するプランがある中、目標の地位へ着実に近づきつつある。今年1年を通して三役を守り続け、2場所前には11勝をマーク。今場所の成績次第では、一気に看板力士の座をつかむチャンスもゼロではない。

 師匠の父は、珍しい決まり手に「私もやったことがない」とびっくり。執念の逆転勝ちには「本人の気持ち。先代師匠(元琴桜)との約束(しこ名の継承)じゃないですか」と息子の思いを代弁した。部屋付きの粂川親方(元小結琴稲妻)も「重たくて押しづらい。四つ相撲の形があって、おっつけも強い。前に持っていける相撲になれば、上(大関)に近づく」と期待を寄せている。

 琴ノ若は「内容が良くないけど、我慢して最後まで取り切れた。勝ったので、明日につなげられるようにしたい」とさらなる連勝へ意気込んだ。一年納めの場所は横綱不在の一方で、3大関2関脇が初日から3連勝と上位陣が番付通りの実力を発揮。このまま白星を重ねていけば、琴ノ若が主役になる可能性も十分だ。