アイドル出身女優の活動が目立つ昨今、独自の存在感を放っているのが元AKB48の増田有華(32)だ。話題のドラマ「全裸監督 シーズン2」(Netflix、2021年)ではセクシー女優役を体当たりで演じて話題となったが、今月20日公開の主演映画「Love song」でさらに長い濡れ場に挑戦。AKB時代は自身の存在価値に悩んだが、「ようやく春が来た」と語るアイドル出身女優の覚悟を聞いた。
本作は、売れないシンガー・花(増田)を主人公とするハードボイルドラブストーリー。花を売り出す資金を捻出するため、ヤクザの覚醒剤を奪った恋人のマネジャーがヒットマンに殺され、幼なじみの元バンドマンとともに復讐に立ち上がる。演じた花と自身の共通点を聞くと、意志や好奇心の強さ、そして「キレやすいところがちょっと似ている」と笑う。
「今は毎朝瞑想したりして心を落ち着かせているんですけど、若いころはキレやすくて。14歳からAKBに入って17、18歳のころは大所帯グループで、“1人バイオハザード”状態。他のメンバーから『有華ちゃんは何と戦ってるの?』と言われるくらいトゲトゲしていた。自分が傷つかないためにトガっているしかなかったんです。今回の撮影で、その頃の自分を思い出しました」
当時のAKB48は国民的アイドルグループに駆け上がり、テレビで見ない日はないほどだった。増田は自身の価値に悩む日々を過ごした。
「記憶が飛ぶくらいの忙しさで、取材や撮影などで移動中に寝るしかない。海外に行くことも多かったけど、服装のために『暑い場所ですか? 寒いですか?』とだけ聞く感じでした(苦笑い)。あとは大所帯グループなので、撮影で『左の子』『右の子』と言われたりして、私はいったい誰なんだろう…と悩んで。総選挙で順位をつけられることで、心をなくした時期もありましたね」
今作では、シンガーとして歌声も披露している。グループ時代は「歌唱力ナンバーワン」と称され、ソロ歌手デビューも飾ったが、その美声に衰えはない。
「劇中、ロケ地のバーで歌うシーンはスタジオではなく、現場で生で歌ったんです。今はお芝居をすることが多いですけど、ファンの方は歌の印象が強いみたいで『歌ってほしい』と言われる。この作品を通して、歌も届けられるのは自分の本望だなって思います」
「全裸監督 シーズン2」では、レジェンドセクシー女優を見事に演じ切り、話題に。今作でも5分強にわたる“全裸超え”の濃厚なベッドシーンに挑んだ。
「常々『自分は何者でもない』と思っている。自分がワクワクできる作品であれば、どんな役でも挑戦していきたい。ただ、誰かに使わされる存在になるつもりはなくて、自分の判断で“私を見せてやろう”って気概はAKB時代から変わらずあるのかもしれないです」
今年は連続ドラマで初主演を務めるなど、女優として飛躍の年に。完全に“脱アイドル”を果たした増田に「脱ぐことでファンの反応は怖くなかった?」と尋ねると「全然!」と言い切り、こう続けた。
「ファンの方が離れるんだろうなと思ってたんですけど、『やりたいようにやりなよ』と親みたいな感じで、ビックリしました。ずっとついてきてくれるのは誇りです。私も年を重ねるほど心のベールを脱いで人のことを信頼できてる。アイドル時代は序列をつけられていく中で、誰かより人気になりたいとか欲をかなえられず、自分も呪って人も許せなくなって、もう世界が暗黒状態みたいな感じだったんですけど…。ようやく30歳過ぎて春が来たなっていう感じがありますね。大好きなお芝居と、歌もできるってところを見せていきたいです」
☆ますだ・ゆか 1991年8月3日生まれ、大阪府出身。2006年にAKB48の2期生オーディションに合格。12年にグループを卒業後、女優としてドラマ、映画、舞台に活躍。












