ジャニーズグループ「Kis―My―Ft2」の元メンバーの飯田恭平氏が29日、都内で開かれた児童性被害に関する時効撤廃について意見交換をする有識者の会合に「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(平本淳也代表)メンバーらと共に出席した。先日、同会に合流することを発表した飯田氏は、同日に放送されたTBSのインタビューで故ジャニー喜多川氏による性加害について初めて言及。会合終了後の飯田氏を直撃し、元メンバーたちへの思いを聞いた。

 飯田氏は2005年に北山宏光(8月に退所)、藤ヶ谷太輔、横尾渉、千賀健永、宮田俊哉、玉森裕太、二階堂高嗣の8人で「Kis―My―Ft2」を結成。翌06年に飯田氏はグループを脱退し、ジャニーズ事務所も退所した。退所理由は「学業に専念するため」としていた。

 しかし、この日放送されたTBSのインタビューで、故ジャニー喜多川氏からの性加害を受けていたことを明かし、退所も「性加害が理由だった」と明かした。

 会合では、平本氏が「当時は声を上げられず、被害を自分の言葉で捉えるのに相当な時間を有する。その間、一番許せないのは加害者が無罪放免、何事もなく過ごしている姿を見ることがつらい」と訴えた。飯田氏も「時効があるから何もできないというのはおかしい状態。1人で苦しんでいる方の一歩になればいいと思います」と話した。

 今回、実名顔出しで声を上げた飯田氏。かつてのメンバーに対して今何を思うのか。会見終了後に直撃した。

 ――退所の理由は性加害だった

 飯田氏 はい。主な理由となっています。

 ――学業専念が理由と言われていた

 飯田氏 発表をして辞めたわけではないので高校卒業のタイミングで辞めたのは事実です。高校を卒業したら「辞めます」と事務所には申し入れをした。「どうして辞めたの?」って聞かれて納得してもらいやすいタイミングでした。

 ――デビューへの未練は

 飯田氏 チームでやっていたので、みんなに迷惑を掛けるという思いはありました。仲間を裏切るじゃないですけど、チームとして動きづらくなるのではないかという考えもあったので迷いもありました。

 ――メンバーに退所について相談は

 飯田氏 辞めたいという話はしたことはあります。1人だけで悩んで決めたわけではないです。

 ――現在、メンバーと連絡は

 飯田氏 辞める時に僕の方から連絡を絶ってしまった。

 ――メンバーの活躍について

 飯田氏 辞める時にみんなに迷惑を掛けたので、頑張ってほしいと思っていました。追いかけて見るという感じでなかったですけど。

 ――性加害について関係者が「うわさ程度でしか知らなかった」という発言をどう思う

 飯田氏 企業もメディアを含めて違和感はあります。

 ――10月2日にジャニーズ事務所が会見を行う

 飯田氏 当事者ということもあって被害者への具体的な救済策がどうなるのかという所は注目しています。