今年は渋谷のハロウィンNG! 東京・渋谷区の長谷部健区長は12日、「ハロウィン目的で渋谷駅周辺に来ないでほしい」と異例の呼びかけを行った。昨年までは「マナーとモラルを守って楽しんでほしい」としていたが、一転、方針転換した形だ。

 一時は渋谷のハロウィンもコロナ禍で自粛されたが、昨年から復活。今年はコロナが5類に引き下げられ、外国人観光客も増えていることから、コロナ前の規模に戻ることが予想されている。その一方で、マナーやモラルは年々悪化。地元商店街や近隣住民からの苦情もすさまじく、ついに区長自らが「来ないでほしい」と訴えるに至った。

 渋谷商店街振興組合の小野寿幸理事相談役は、区の方針転換に「もっと早くやってほしかった」としてこう話す。

「普通の人は終電で帰るが、一部が終電でやって来て、バカ騒ぎして街を荒らす。特に路上飲酒はタチが悪く、ごみのポイ捨てや飲んだ酒の瓶を路上に叩きつけて割ったり、酔って商店街のシャッターを破壊するのはいつものこと。それどころか非常階段など人目のつかないところに汚物を放置するから、ハロウィン後の清掃がとんでもないことになる。ハロウィンで渋谷に来ないで、じゃなく、来るな!だよ」

 また、渋谷センター街にアパレル店を構えるナイジェリア人男性は「どの店もハロウィン期間は早くに店を閉めなきゃ収拾がつかなくなるから商売にならない。ハッキリ言って邪魔。もうかってるのは仮装衣装を売ってる店くらいだよ」と、区長の方針に賛成した。

 渋谷のハロウィンといえば、2018年にセンター街を通りかかった軽トラックが、多くの若者に囲まれて横転させられる事件が発生。4人が逮捕された事件を覚えている人はいるだろう。これをきっかけとして、渋谷区は19年にハロウィン期間のトラブルを防止する条例を制定した。今年は「迷惑路上飲酒ゼロ宣言」も発表したが、過料や罰則を設けていないのが実情だ。

 結果、ハロウィン期間の治安が著しく悪化し、周辺住民から苦情が殺到している。同振興組合の鈴木達治理事長は「条例は過料・罰則がないことで、効果は限定的。まずは、もっと条例についてアナウンスしていくことが必要だ。一番は地元住民の安全。今後もひどい状態が続くようでは、過料・罰則を科す方向に行かざるを得ない」と厳しい表情だ。

 そんななか渋谷を歩く若者たちに話を聞くと、「来るなって言っても集まっちゃうんだからしょうがない」「1年に1回のお祭りなんだから認めてほしい」など、どこ吹く風。10月31日、渋谷はどうなっているか。