脳科学者の茂木健一郎氏が22日、X(旧ツイッター)でトレンド入りした「模試不正」について言及した。

 この言葉の〝震源地〟は高校生ユーチューバー・すなずりかりんで、自身のユーチューブで模試試験の結果を公開。慶応義塾大学を志望校にしていると公言し、6月に受験した「全統共通テストマーク模試」の結果は6科目中、英語リーディングと化学の2つを除く4科目で90点超え、600満点中、531点だった。16万人超が受けた試験の総合順位は1206位で、偏差値は驚異の75・4。志望する慶応大はA判定で、すなずりは「そこまで悪くはなくて良かったです」と安堵した。

 あまりの高得点に一部視聴者からは「模試不正」を疑う声も。これがXのトレンドワード入りしたわけだが、当のすなずりはXで不正を否定した上で「少しでもみんなと一緒に勉強も頑張りたいという思いで受験について発信している中、このような決めつけや誹謗中傷などのコメントをみると悲しい気持ちになるし、なにより応援してくれているファンの方を嫌な気持ちにさせたくありません」と心境をつづっている。

 これを受け、茂木氏は自身のXを更新し「昨日、模試についてのツイートが流れてきてちょっと考えたんだけど、ぼくは、今の日本の入試制度を前提にした場合、受験生には模試を受けることを推奨している。それで自分が合格する確率がわかるし、努力の方向もわかるからである」とコメント。

 他方で「模試のスコアというのは単なるひとつの基準による測定値に過ぎないから、それには大した意味がないとも思う」
「昨日話題になっていた方はそうではないようだけれども、ズルをして模試のスコアを良くするというのは意味がわからない。体重計にのるときになんとか数値を小さくしようとするようなもので、自分の今の状態を精確にとらえられなかったらそもそも測る必要がない」と指摘した。

 茂木氏は「結局、模試に限らず、ズルをして点数を良くしようとするのは、自分の現状を把握するという本来の趣旨よりも、そのスコアによって生まれる自分に対する社会的評価を偽装しようという動機である。自分をメタ認知することよりも評価を優先するようになると、人間の成長はとまってしまう」とつづり、模試本来の〝意義〟を見誤らないよう警鐘を鳴らした。