ボクシングの前WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(34=志成)が臨む世界王座戦(24日、大田区総合体育館)が、前代未聞のトラブル続きとなっている。井岡が大麻成分検出発表に揺れるなか、WBA同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)は大幅体重超過で王座剥奪の事態に。減量失敗のフランコ側は〝大麻問題〟に責任転嫁したが、やり玉に挙げられた格好の日本ボクシングコミッション(JBC)は怒りをあらわにして「プロ失格」の烙印を押した。
昨年大みそかの統一戦がドローに終わった両者の再戦は、戦前から大波乱の連続だ。まずは21日深夜にJBCが、統一戦後の井岡の尿検体から大麻成分(THC)の代謝物が検出されたことを発表。世界反ドーピング機構(WADA)の基準を超えていなかったため試合開催には問題なく、井岡の潔白を主張する志成ジムはJBCの発表タイミングに疑義を呈していた。
さらに前日計量では、フランコがリミットを3・1キロも超過。再計量でもわずか200グラムしか落ちない体たらくで、王座を剥奪された。試合は当日計量59キロ条件で行われ、井岡が勝てば新王者、フランコが勝てば王座空位となる。
日本開催の世界戦史上最大の体重超過に、フランコ陣営は「2日前に、この試合はもう開催されないんじゃないかと精神的に追い込まれていた」と弁明。〝大麻騒動〟によるモチベーション低下が影響した可能性を示唆したが、そんな言い訳はもちろん通用しない。
JBCの安河内剛事務局長は本紙の取材に対し、一連の発表に対するフランコ陣営からの問い合わせは一切なかったと明言。「我々はこの試合をどうするという判断はしていないわけですから。そのままネットニュースを見たものを理由に…しかも(騒動になったのは22日の)昨日ですよ? それを3キロオーバーの理由にするというのはプロではないでしょうね。一番大事なウエート調整を怠る、というより放棄に近いですよね」と語気を強めた。
会見では井岡が「JBCとの関係性も修復していませんし、思うこともあります」と発言するなど、今回の大麻成分検出の発表が与えた影響は計り知れない。それでも安河内事務局長は「発表に問題はない? もちろんです。いろいろなとらえ方、評価があると当然分かっていますけど、オーバーウエートの言い訳にするのはプロとしてどうかなと。公式の場であれを言われたら看過できない」として、フランコを断罪。その一方で「当然、我々は井岡選手を憎んで何かをしているわけでもなんでもない。事実に向き合っているだけ。時間がかかってでも信頼関係を構築できると思っているので。彼もそうだと、僕も信じています」と、井岡との関係修復には自信をのぞかせた。
井岡は「勝利して、必ず正義が勝つというのを証明しないといけない」と意味深長に意気込んだが、伝説のプロレス団体・IGFをほうふつとさせるズンドコ劇となった。













