麻薬取締法違反の罪に問われたモデル・道端ジェシカ(38)の夫で映画プロデューサーの米国籍カオ・ケネス被告(46)に対し、東京地裁は20日、懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した(求刑懲役1年6月)。
被告は、2020年ごろにうつ、PTSDの治療薬として、アメリカのセラピストからMDMAを定期的に処方されていたと主張していた。これらの成分が含まれるカプセル15錠を、日本に発送・輸入したことで罪に問われていた。妻の道端ジェシカも逮捕されたが、その後不起訴となっている。
この日、紺色のスーツ姿で出廷したカオ被告は、主文などを通訳を介して聞き取り、時折うなずくなどしていた。
判決では、セラピストの指導があった場合でもMDMAを日本国内に持ち込むのは違法だとし、さらにカプセルを隠し入れた荷物を〝他人名義〟でアメリカから発送するなど工作を図っていた点には一定の計画性も認められるとした。
これらの行動は、あくまでも不安感を緩和するための自己中心的な犯行だと指摘し「汲むべき事情には乏しい」と判断。
薄井真由子裁判長はこれらの指摘から「犯罪事実を認定する」としたうえで、被告が初犯である点や日本で服用しないことを約束している点を「考慮の余地がある」とし、執行猶予付きの判決とした。
それまで身動きせずに聞き入っていたカオ被告だったが、最後に裁判長から通訳を介して「わかりましたか」と質問された際には、小声で「イエス」と返し、頭を下げていた。