お笑いコンビ「千原兄弟」の千原ジュニア(49)が4コマ漫画新刊「嗚呼 蝶でありたい」(扶桑社)を刊行した。2020年から「週刊SPA!」で連載中の「囚囚囚囚(トラトラトラトラ)」に書き下ろしを加え、書籍化。芸人以外にもマルチに活動するお笑い界の鬼才が4コマ漫画で新たな才能を発揮している。このほどインタビューに応じ、4コマで波乱の芸人人生を振り返った。
卓越したお笑いセンスとトーク力で売れっ子芸人として、多くのレギュラー番組を抱えるジュニア。今回の4コマ漫画は「週刊SPA!」の連載コラムが10年ひと区切りで終了した際、編集者から新企画として打診され、始まったという。4コマという制約の中で着眼、発想、展開、オチとジュニアの思考方法を知ることができる。
本作について「僕が思ったり、感じたりしてることが分かると思う。それプラス漫画でしか表現できないことをやってるつもりです」。
芸人、俳優、執筆業とマルチな才能を発揮する一方でプライベートでは01年にバイク事故で瀕死の重傷を負い、昨年にも特発性大腿骨頭壊死症など壮絶な経験をしてきた。そんな波瀾万丈の芸人人生を4コマで表現するようにお願いした。
「1コマ目は大阪、ジャックナイフ時代。2コマ目はバイク事故。3コマ目は何とか今、いろいろと毎日楽しくお仕事させていただいている。さあ、4コマ目どうなることやらという感じですかね」
兄のせいじと1989年に「千原兄弟」を結成。若手時代、強気な言動ととがったキャラでジャックナイフと呼ばれた。
当時について「今田(耕司)さん、東野(幸治)さんが半分ジョークで『ジャックナイフみたいな芸人がおる』みたいなことでそうなった部分もある。自分に笑いの才能がなくて、怖がってガードを高く上げて目をつり上げていた」と周囲を寄せ付けなかった。
そんなジュニアの人生の転機となったのがバイク事故だ。
「事故は地獄でしたが、もし事故がなかったら違う形(の人生)になっていると思います」
事故で横転し、歩道と車道の間に立っている石柱に顔面から激突。顔に損傷を負い、芸人引退を覚悟したが、東野から「鶴瓶・上岡ぱぺぽTV」(読売テレビ)最終回(注)の映像を手渡された。
「『これを見ろ』と。芸人を辞めるしかないと思ってたけど、それを見て泣きながらもう1回そっちに戻りたい、と。シーンとしては非常に悲惨でしたけど、ストーリーで見るとあの事故もあってよかった」と前向きに捉えるようになった。
起きたことをシーンでなく、ストーリーで見ることが4コマ漫画の執筆にも生かされているのかもしれない。
「イジメに遭ってる子なんて本当に地獄やろうし。だけど、引きで見るとワンシーンにすぎない。それをストーリーで考えると、学校なんかイヤなら行かへんかったらエエし、何とかなる。まだ出会ってない、出会うべき素晴らしい人間もいるでしょうし。そう考えたらちょっと楽になるんじゃないかな」と持論を語る。
15年に結婚し、2児の父でもある。3コマ目の現在について「この年齢ですけど初体験が多い。こうやって4コマ漫画描くことも初めて。結婚もそうですし、子育ても。初体験をいろいろして非常に幸せを感じる」と笑顔を見せる。
4コマ目にどんな未来を描くのか。
「理想はオンエアを8本ぐらい残して死ぬのが一番ですね。収録していたものがまだオンエアされる前に。最後まで現役で走り切る。芸人としては、こんなに幸せなことはないやろうなとは思いますけどね」
その感性でどんな芸人ストーリーを見せてくれるのだろうか。
注…上岡龍太郎さんと笑福亭鶴瓶によるトーク番組。島田紳助さん、明石家さんまが登場した最終回は伝説の回として語り継がれている。
☆ちはら・じゅにあ 1974年3月30日生まれ。京都府出身。89年に兄のせいじとお笑いコンビ「千原兄弟」結成。94年「第15回ABCお笑い新人グランプリ」優秀新人賞、「第29回上方漫才大賞」新人賞受賞。数多くのバラエティー番組に出演。俳優、執筆業などマルチに活躍。














