安倍晋三元首相の妻、昭恵氏が再始動だ。4月の衆院補選で山口4区から出馬して当選した自民党の吉田真次氏が11日、10増10減の影響で次期衆院選では4区がなくなることを受けて、新しくできる山口3区からの出馬意思を表明した。吉田氏のバックアップに回った昭恵氏の狙いはいかに――。

 3区には旧山口3区を地盤としていた林芳正外相も出馬意思を持っているという。この日、昭恵氏が吉田氏の後援会長に就くことが決定。昭恵氏は、吉田氏が先の補選で5万票を得ていたことを念頭に「配慮してほしい」と語っている。また、昭恵氏は5月末に自民党本部を訪問。党幹部らに「3区は吉田氏に」との要請をしていた。

 もっとも現実は厳しい。永田町関係者は「林氏は現役の外務大臣で、吉田氏は新人議員ということを考えれば、そもそも争いにならない。林氏は岸田派だし、首相も林氏を後押しするのでしょう」。そもそも、補選での5万票は物足りない数字という評価を永田町ではされていた。

 一部では公認が出なかった場合、吉田氏が無所属での出馬も辞さないとの強硬意見もある。こうした情勢を受けて、先の補選で立憲民主党から出馬したジャーナリストの有田芳生氏が3区からの出馬を検討し始めたともいう。

 保守分裂となり、野党が漁夫の利となるのか。前出の永田町関係者は「実際は吉田氏を比例名簿の上位にすることで決着するのではないか。むしろ、それが昭恵氏の狙いなのでしょう」と指摘した。比例名簿のどこに名前が載るかは当落を左右する一大事。駆け引きはあり得る。

 昭恵氏は補選で吉田氏に当確が出た直後、「私にとっては主人の最後の選挙かなという思いで戦った」とやり切った感を漂わせていた。最近は麻の活用に関する勉強会に参加したり、東京・歌舞伎町のジェンダーレストイレを視察したりと自身が関心のある活動をしていた。

 そうこうしているうちに解散風が吹き始めた。昭恵氏の後援会長就任はベストタイミングともいえる。昭恵氏はこの日、下関市を含む3区について、「特別な思いのある地域だ」と話した。吉田氏の後援会長としてニラミをきかせることになりそうだ。