“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回はセンターマイクなしで漫談を行う、趣味は“ラブホテル巡り”という、謎だらけの女性ピン芸人を取り上げる――。
【プロフィル】
芸名‥浅桜(あさくら)ぽんず
生年月日‥1995年5月12日
所属事務所‥タイタン
養成所‥タイタンの学校1期生(2018年10月入学)
初めて存在を知ったのは今年2月。さっそく私が開催している「新道竜巳の女芸人フェス」というライブに出演してもらうと、センターマイクもなしでいきなり漫談を始めたのです。ただ舞台度胸があり声も出ている。動きも自然、しかも笑いが起きている。
芸歴を聞くと、「もう7年になりました。20歳から始めて」。7年もやってるのに見たことも聞いたこともない。どこで活動をしていたのか? 聞くと「もともとモノマネ芸人で、渡辺直美さんのそっくりさんとしてやっていた」。モノマネ芸人としては16年から活動していて、ライブでネタをやり始めたのは昨年くらいからだそうです。
モノマネ芸人はライブに出ることが少ないので、会う機会がなかったんです。ただ舞台度胸としゃべりのスキルは、モノマネ芸人の経験があってこそのもの。ただモノマネとネタは全く違うのに、いきなりネタで笑いを取れているのは、やはりセンスだと思います。
ちなみにセンターマイクなしでネタをやる理由は、「とにかく裏方さんが…。小道具とか出さないで、迷惑かからないように」。すごく謙虚な回答でした。周りへの気遣いがすごいようで「体重も88キロあったんですけど、みんなの邪魔にならないように30キロやせました」とのことです。
現在は“タイタンネクスト”という、タイタンの研究生で、小噺をしたら両手でピースをして「ピース、イェーイ!」と小刻みに飛びはねるという、すごく明るく元気なネタをやります。
「もともとテンション高い?」と聞くと、返ってきた答えは「もともと暗いです。おじいちゃんのやっている飲み屋に1人で行って焼酎飲んでるタイプ。ピースピースとかやっている人たちはぶっ飛ばしたい。こういう明るい人たちを馬鹿にしている。ちょっと性格悪いんですよ。こういう軽い人たちが今後、日本で生きていくのは大丈夫か、と」。
芸名は、浅井企画に所属する元「アニマル梯団」のおさるさんと話していて決めたそうです。
「“あ”から始まる名字だと、名前順の場合、フライヤーとか上に来ると思って相談したら『浅井企画の“浅”って字はかっこいいよねー』とおっしゃったので、浅桜と書いて“あさくら”と読ませた。あと“ぱぴぷぺぽ”が名前にあると売れるという謎のジンクスを信じて、売れたらミツカンのCM出演が決まるように“ぽんず”とつけました」
もともとは宮川大輔さんのモノマネ芸人・宮川大好さんに「芸人に興味あるんやったら、あさってから荷物まとめて付いてきたらええで」と言われ、スーツケース1つに荷物を詰めて付き人を始めたのがきっかけ。
「最初は運転手、荷物持ちから始まりました。“太ったら渡辺直美さんに似るんちゃう?”と言われ、55キロだった体重を88キロまで増やした。芸人と二足のわらじでキャスティング、営業、スケジュール出し、タレントのアテンド、送迎、ご機嫌取りなどのマネジャー業務を学びました」
事務所のプロフィルには、特技として「全国のラブホテル巡り(2年間で300部屋に1人で宿泊経験あり)」と書かれています。その目的は?
「目的も何も、地方に行く仕事って定時で終わるはずもなく、付き合いで飲んだりなんかしたらもう夜中じゃないですか。ビジネスホテルだと朝10時くらいにチェックアウトで、なんの意味も感じられない」
その点、ラブホは「時間制でチェックアウトを選べる」「アメニティー全揃い」「普通に風呂広い」「ベッドも当たり前にビジホより広い」などのメリットがある。ただ「お化け関係で痛い目に遭う時もあるので、そこだけ気をつけてほしい…」とのことです。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












