ジャーナリストで、早稲田大学客員教授の金平茂紀氏(68)が1日、国会内で開かれた「公共放送NHKはどうあるべきか」に出席し、NHKをはじめとしたメディアの危機を訴えた。
 
 次期NHK会長に元文科次官の前川喜平氏(67)を推挙している「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」が主催するシンポジウムに出席した金平氏は、NHKが安倍、菅政権で官邸の言いなりになっている現状を憂い、「NHKは国営放送じゃないが、そう思っている人がいっぱいいる。公共放送で市民のために市民が運営する。これを曲げるのはダメ。曲げたい人がいっぱいいて、その空気をNHKの中にいる人も読んじゃっている」と問題視した。
 
 今年2月にロシアがウクライナに侵攻した直後、金平氏は現地に入って取材していた。

「NHKはとっとと退避した。一番ひどかったのは読売(新聞)。ワシントンの記者が書いていた。ペンタゴンの発表で戦況を書いていた。恥を知れって話ですよ。戦争になると当事国は勝つための報道をする。日本のメディアの、退却の仕方の速さは恥ずかしくなる」と、NHKをはじめとした日本のメディアが軒並み現地から引き揚げたことに報道の役割を忘れていると嘆いた。

 NHKの会長人事はNHK経営委員会で選出されるが、同委員は事実上、政権の意向が働いた人選で、会長人事もブラックボックスに包まれている。

 金平氏は「(NHKの会長人事で)公益性の高いトップが選ばれる。財界出身者が5代15年続いていて、もう1回選ぼうとすると反発が起きる。彼ら(政権やNHK経営委員会は)は相当、混乱している。(前川氏の擁立は)有効な運動だと思っている」と前川氏を次期会長に推挙する市民運動は意義があるとした。