酒と健康に関する著書で知られ、数多くの医師を取材している酒ジャーナリストの葉石かおり氏が、自分も大好きな酒を元気に飲み続けるためのコツを探ります。

 逆流性食道炎は“酒飲みの持病”と言っても過言ではない。「コロナ禍、失職不安から5リットルの業務用ウイスキーを買い込み、2週間で飲み切った果てに逆流性食道炎になった」とSNSで書いた途端、「私も」「オレも」というコメントが殺到した。「なんだ、私だけじゃないじゃん」と安心して飲みたいところだが、一生健康で長く酒を飲むためにも、ここはしっかり逆流性食道炎を悪化させぬようケアしたい。

 逆流性食道炎は胃食道逆流症(GERD)と呼ばれる胃液、胃の中のものが食道に逆流する病気の一種。主な症状として、げっぷや胸やけなどがある。原因はさまざまだが、アルコールもしっかり一因になっている。

 特にハイボールやスパークリングワインといった炭酸を含むアルコールは胃が膨らんで、げっぷが出やすくなるので危険なのだそう。またレモンやグレープフルーツといった柑橘系フルーツも、胃酸の分泌を増やし、逆流を促進させる作用がある。つまり、炭酸とレモンを使ったレモンサワーは、逆流性食道炎持ちにとって、「禁忌の酒」ということになる。ああ、日本酒を飲む合間にリセットのため飲むレモンサワーがダメだなんて(涙)。親しいドクターによれば、「過度に飲まなければいい」とのことだが、気をつけるに越したことはない。

 酒と並んで注意したいのが、おつまみだ。逆流性食道炎の大敵は脂っこいもの。例えば鶏のから揚げ、フレンチフライ、ハムカツといった、レモンサワーにバツグンに合うおつまみは避けたほうが賢明らしい。それよりも注意すべきは食べ過ぎ。胃の中の圧が上がり、げっぷが出ることで、胃酸が逆流してしまうからだ。酔うと理性が吹っ飛び、普段は食べない揚げ物を複数注文してしまいがちだが、これもまた改めたほうが良さそうだ。

 また飲んで即寝るのも逆流が起こりやすくなるという。「気をつけなくちゃ」と言っているそばから、缶のスパークリングワイン1ケースをポチる。逆流性食道炎の完治への道は遠い。