6月20日に覚醒剤取締法違反などで執行猶予付きの有罪判決を受けた9日後、〝スピード再犯〟で逮捕された「KAT―TUN」の元メンバー・田中聖被告(36)が仰天戦略に打って出た。27日に千葉地裁松戸支部で行われた第2回公判で、覚醒剤の入手先を「密売人から買った」とする当初の供述を「家にあったものを使いました」と翻したのだ。これには、警察OBから〝出所後〟の監視が厳しくなる可能性を指摘する声が出ている。
この日、田中被告は黒のスーツとネクタイ、黒ぶちメガネで入廷。弁護人からの被告人質問で、6月に逮捕されたときに使用・所持した覚醒剤の入手先について「実際は家にあったものを使いました」と証言し、逮捕直後にファンを装う人物を通じて密売人から買ったとしていた供述を一転、翻した。
2月に初犯で逮捕された際、愛知県警の家宅捜索を受けているが、この日、田中被告は「押収されたものもありましたが、押収されなかったものもありました」と証言。覚醒剤の隠し場所として頻繁に使用していた自室にある〝箱〟に、初犯で逮捕される前から隠していた覚醒剤が押収されずに残っており、これを使ったという。
供述のあまりの変わりように検察は敏感に反応した。2月の家宅捜索時に「警察に申告しなかったのか?」と追及されると、田中被告は「言ってなかったというより忘れてました」と主張。さらに隠し場所として使用していた〝箱〟について、「そんな箱、申告し忘れますかね?」とツッコまれると、「忙しかったのもあるし、パニックだったのもあるんで…」と説明した。また、この〝箱〟は「すでに処分してしまった」とした。
その後も検察が、逮捕当初の供述について「あれは全部ウソだったというんですか?」と問いただしたのに対し、田中被告は動揺する様子もなく「はい!」とキッパリ。ウソの供述をした理由は「サポートとして同居している家族に迷惑をかけたくなかった」と証言した。
覚醒剤の入手元に関する供述を翻したことに傍聴者も戸惑いを隠せなかったが、弁護士法人プロテクトスタンスの湯山亮介弁護士は、この点について「合理性があるかどうか」をポイントに挙げる。
「密売人から買ったとなると、いまだ関係を断ち切れていないと見られる。だから、初犯のときから所持していたものだと主張して、関係を断ち切っていると見せたいのでしょう。ウソの供述をした理由を『家族に迷惑がかかる』としているが、いつも隠し場所に使っていた〝箱〟を『忘れてました』というのは合理性に欠ける。全体として、裁判官は話に合理性がないという判断になっていくのでは」
同弁護士によると、通常、覚醒剤で2回目の逮捕となると、2年から2年半くらいを求刑されて実刑になるという。その点は田中被告もわかっているようだが、刑期を減らす情状酌量を勝ち取るために、供述内容を変えたとみられる。
だが、仮に減刑を勝ち取ったとしても、田中被告の将来に大きな影響を与える可能性があると指摘するのは、ある警察OBだ。
「田中被告は、愛知県警が家宅捜索で重要な証拠物件である覚醒剤を押収し損ねたと主張したも同然で、同県警のメンツは丸つぶれです。しかも、これを自らの減刑のための〝ダシ〟に使ったウソだとしたら、愛知県警だけでなく全国の警察組織も黙っているはずがない。今後、実刑を受けて出所しても、厳しい監視下に置かれるでしょう」
田中被告の証言について愛知県警に問い合わせたが、27日中に回答を得ることはできなかった。同被告は、今回の公判で大きな禍根を残したのかもしれない。












