お蔵入りへ――。シンガー・ソングライター椎名林檎(43)の新アルバムの特典グッズのマークが「ヘルプマーク」にそっくりだとして物議を醸している問題で、特典グッズの購入者への発送は取りやめになりそうだという。代替品を用意して騒動の幕引きを図ることになりそうだ。

 問題となっているのは、新アルバム「百薬の長」(11月30日リリース)の限定版につく特典グッズだ。そのうちの一つ、カードケースは赤地に白の十字のマークがあり、これがヘルプマークにそっくり。ヘルプマークとは、外見では分かりづらいハンディのある人が、これを身に着けることで周囲からの援助を受けやすくするためのマークのこと。東京都が管理し、著作権を持っている。

 一連の問題を受け、椎名のレコード会社は対応を協議中。都もレコード会社に早急な対応を求めている。

「椎名さんサイドは都に〝ダマ〟(無断)で特典グッズに例のマークをつけました。権利関係が厳しくなった現代で、その認識は甘いと言わざるを得ません」(音楽関係者)

 東京都福祉保健局の担当者も取材に「ニュースで(椎名サイドが)今回のモノをつくられると把握した」と答えた。

 それだけではない。もう一つの特典グッズ、マスクケースは白地に赤の十字のマークがあり、これは赤十字マークにそっくり――どころではなく、一緒と言われても仕方がない。

 この2つのグッズはお蔵入りとなりそうだ。

「問題となった特典グッズの購入予約受け付けはすでに終了。特典グッズ目当てにアルバム限定版を購入予約しようとしても、レコード会社側は別の特典グッズに切り替える対応を取っています。購入予約が完了した人に対しても、謝罪したうえで別の特典グッズに切り替えるとみられます」(同)

 新アルバム自体は予定通り、リリースされる見込み。

 今回の問題で、カードケースの〝ヘルプマーク〟が商標権に抵触するかは見解が分かれるが、マスクケースの〝赤十字マーク〟はアウトとされる。〝国際法〟に抵触しかねないからだ。

 赤十字マークは、戦争で負傷した人や救護する当局関係者のためのマーク。この使用については国際的な取り決め「ジュネーブ条約」で厳しく定められており、一般の病院や薬局ですら使用NGだ。

 過去には、人気アニメ「ポケットモンスター」の女医をモチーフにしたキャラクター「ジョーイ」がかぶるナースキャップに赤十字のマークがあったが「登場後、ほどなくして別のマークに差し替えられました。制作サイドがジュネーブ条約に抵触しかねないと判断したんです」(テレビ局関係者)。

 もちろん、椎名のグッズも使用NGなのは言うまでもない。

 椎名側は近日中に特典グッズの対応を発表する予定だ。