北朝鮮で女性初の外相に就任した崔善姫(チェ・ソンヒ)氏(57)が注目を集めている。
2003年の核問題を巡る6か国協議ごろから北朝鮮の通訳として本格的に外交デビューし、外相就任前は外務省第1外務次官を務めていたが、一部では知る人ぞ知る人物だったという。
「飛行機の移動の際、外務省の上司がエコノミーなのに、彼女はビジネスクラスに乗っていた。外交会議の場で上司より大物のような態度を示したことから、“上司より偉い通訳”“謎の実力派通訳”と呼ばれていた。18年のトランプ米大統領との米朝首脳会談では実務者協議を任され、首脳会談のテーブルにもついた。金正恩総書記からの信頼も厚く、対外的に北朝鮮の意向を英語で自由に発言できた」(北朝鮮ウオッチャー)
崔氏は平壌で生まれたが、朝鮮戦争で親を亡くし、崔永林元首相の養女となった。永林氏は故金日成国家主席の側近の秘書室長から首相になった幹部で、崔氏は留学先の北京やマルタ共和国、オーストリアで英才教育を受け、英語を流ちょうに話す。
「金氏が重用するのは崔氏の通訳が直訳ではなく、北朝鮮の姿勢を加えたうまい意訳で双方に伝えられ、その英語も北朝鮮の威厳を示していると買っているから」(同)
18年の米朝首脳会談を前に「非核化に応じない場合、リビアのように終わるかもしれない」としたトランプ政権のペンス副大統領(当時)に対し、崔氏は「厚かましい発言だ。われわれと会議室で会うか、核対核の最終決戦で対決するか、米国の決断と振る舞いにかかっている」と毅然とした態度を示し、これにトランプ氏が激怒し、会談が一時流れたこともある。
その後、米朝が決裂して以降も、バイデン新政権に対して崔氏は「政権が代わっても聞こえてくるのは完全な非核化という口癖ばかり。敵視政策を撤回しない限り、今後も米国からの接触を無視する」と強硬姿勢を示していた。
10日まで開催されていた朝鮮労働党中央委員総会拡大会議で、崔氏は正恩氏の実妹・金与正党副部長よりも上のランクになったとみられている。強硬派の崔新外相の言動に日米韓が注視している。












