NHKが大みそかに放送する「第71回紅白歌合戦」の出場歌手が16日、発表された。企画出演のGReeeeNを加えて合計42組が出場するが、圧倒的な数を占めたのがジャニーズ勢だ。白組の21組中、実に7組が出演するのだから、まさに〝ジャニーズ祭り〟。発表までには、水面下で嵐の出演を巡っての駆け引きが行われていたようで、結果的には完全に、ジャニーズの〝戦略勝ち〟となったようだ。


 ジャニーズから初出場となるのは、今年1月にデビューしたSixTONES(ストーンズ)とSnow Manの2組。ある音楽関係者は「Snow Manは単独でもシングルミリオンを達成しているし、SixTONESもかなりの枚数を売り上げた。人気からいっても出場は順当と言える」という。

 この2組に加えて、昨年に引き続いて出場するのが嵐、関ジャニ∞、Hey!Say!JUMP、King&Prince、Kis―My―Ft2の5組。合計7組が出場することになった。

 過去には、2015年にもジャニーズから7組が出場したこともあったが、その時は白組から26組のアーティストが出場していた。それに比べると、今年の方が圧倒的にジャニーズ色が濃い。その理由として、今年いっぱいで活動休止となる嵐の存在が大きいという。

 ある音楽関係者は「NHKは、かなり早い段階から紅白での嵐の出場を確約したといわれていました。NHKとしては嵐のメンバーに司会もやらせた上で、大トリも務めてもらうつもりだった。とにかく嵐にとっては〝最後の日〟だから、今年の紅白は〝嵐祭り〟という思惑もあったはず。そのためにも今年は、ジャニーズの要求を飲めるだけ飲んだと考えていい」と指摘する。

 その要求のうちの一つが、SixTONESとSnow Manを初出場させることだ。

「2組が初出場するのなら、ジャニーズから1~2組を落とすのが普通の考えですが、結局は昨年出場した5組すべてが今年も出場する。嵐の司会に関してもギリギリまで引きのばれされた揚げ句、ジャニーズから『ノー』を突き付けられたともいわれている」(同)

 嵐は、大みそかにラストライブを生配信することが先日、発表された。これでは紅白の司会はできるはずがない。

「この生配信ライブの開催も、NHK側に伝わったのは直前だったともいわれています。当然、NHK側は〝紅白当日に生配信ライブをするなら、もっと早く伝えてくれよ〟と、不快感をつのらせているようだ。結局、何一つ交渉できないまま、NHKはジャニーズの〝言いなり〟になって、7組すべての出場を押し切られたのだろう」と同関係者は言う。

 大みそかにラストライブを行う嵐は、紅白ではライブ会場からの中継となる見込みだ。中継なのに大トリを任せるという選択はさすがにNHKも取らないとみられる。嵐の司会も大トリもないとなると、NHKの当初の思惑からは完全に外れた格好だ。

 ある制作会社関係者は「いくらコロナで状況が変わったとはいえ、ジャニーズにいいようにやられたことに、一部の局員からは怒りの声も上がっているそうです」と明かした。

 嵐のラストライブは、開始時間や会場など、詳細は発表されていないが、紅白に大きな影響が出るのは間違いない。国民的アイドルグループの〝最後の日〟によって、紅白は大きく振り回されてしまった格好だ。