◇寺田千恵(53)岡山支部65期

 45歳以上のレーサーによる〝匠決戦〟プレミアムGⅠ「第23回マスターズチャンピオン」が19日に幕を開ける。舞台はボートレース三国だ。3月の大村クラシックでは遠藤エミが女子SGVという歴史的快挙を成し遂げた。今大会もベテラン女子レーサーがビッグレースに挑戦する。カウントダウンコラム第2回では長年にわたって男子に戦いを挑み続けてきた寺田千恵が登場。歴史が動いた〝今〟の心境を明かした。 
 
 2018年の福岡大会で初出場を果たしてから5年連続5回目の出場。登録番号では52選手中9番目となり「年を取ってマスターズでも上の方になってしまった」と苦笑いする。

 2020年の津、2021年の下関に続き今回も立間充宏と夫婦参戦。出場資格が45歳に引き下げられたことで、今回の白井英治のように毎年〝大物新人〟が参戦してくる。「レベル的にはほぼほぼSGなので厳しいですよね。エンジンを出さないとレースに参加できないという実情も何回も行って分かっている。今回、また私も主人も一緒に行くけど〝ギリギリ最後かな〟という話もしているので、2人で楽しみたいですね。水面ではワァワァ言えないので陸の上だけでワァワァ言って楽しみたい。顔見知りばかりなので陸の上は楽しみですよ」と夫婦参戦、同世代対決を満喫するつもりだ。

 3月の大村クラシックではボートレース70年の歴史の中で遠藤エミが初めて女子レーサーとしてSG制覇という快挙を成し遂げた。寺田も2001年のからつグラチャンで女子初のSG優出を果たすなど果敢に男子の厚い壁に調整しつづけてきた。それだけに、この歴史的快挙の偉大さは誰よりも熟知している。

「私がボートレースの歴史の50年で初めてSGの優勝戦に乗って一段階、階段を上がったと言われている。それから20年…。70年で本当に歴史の1ページを開けたということ。よく頑張ってくれた、と思います。大手を振っていばっていい」

 さらに達成することの難しさを経験しているだけに「精神的にしんどかっただろうと思う。それが分かるのはSG優勝戦に乗ったことのある私と横西(奏恵)さんだけ。1号艇というプレッシャーを分かっているのは、経験しているのは私だけだと思うので〝頑張ったね〟と行ってあげたい。早く会ってほめてあげたい」と遠藤へのねぎらいの言葉にも思いがこもる。

 そして「SG優勝を女の子がやったということで絶対にないことじゃないということを知らしめてくれた。みんなに勇気と刺激を与えてくれた」と、その功績を称える。

 自身のSGVについては「無理よ!年齢的にはもう不可能と思います」と笑い飛ばす。ただ、その直後に「可能性はゼロではないと思うけど…」。

 女子初のマスターズチャンピオンVへ――。可能性がある限り挑み続ける。