国際政治学者で山猫総合研究所代表の三浦瑠麗氏が12日、「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、ロシアの大手金属企業から反戦の声明が出されたことに言及した。

 番組では、ロシアの基幹産業でもある大手アルミ生産企業「ルサール」が声明を発表し「(ウクライナの)ブチャでの犯罪が客観的に公正に調査されることを支持し、加害者に厳しい罰が与えられることを求める」「人命や家族、都市全体を破壊する兄弟殺しの紛争が早く終わることを望んでいる」などと戦争反対を表明したことを紹介。同社は世界43の工場、従業員数は5万5000人以上を有する大企業だという。

 三浦氏は「大企業というところがポイントだと思う。世界各国に工場を有していたり、世界各国にモノを売っていたりというのは、今、金融でも経済制裁をしていますけど、他でもロシアと取引をしないという国が増えてきているなかで、今までの自分たちの経済活動を守るためには、グローバル化した企業ほど戦争、プーチン政権に反対するという効果が生まれる」と評価。

 一方で「それが他に波及するかというと、国内でもずっとやっている人たちがそういう立場になるとは私は考えにくいと思う。なぜならば西側がロシアを切り離せば切り離すほど、今後の経済活動のために、自衛しなきゃいけなくなる。イグジット(株式売却)するか、米国と関わらない中国、インドのような未来の大国と取引をしていくか、それかロシア国内に閉じこもるか、そういう選択肢になってくるので、制裁というのはこういった影響が大きいんですが、固定化してしまうと、今、イランだってずっと孤立してますでしょ。でもイランは続いてますからね」と反戦表明がロシア企業に広がらない可能性も指摘した。

 筑波学院大学の中村逸郎教授は「ロシア企業にとっては結構きつい。国営ロシア鉄道がデフォルト(債務不履行)認定され、外貨が入ってこないのは非常に大きくて、大企業で経営難が起こってくる。失業率も10%に届くんじゃないかとみられている。人々の中で生活への不安が出てくる可能性が高い。今は個人一人ひとりが(反戦の意思を示す)リボンを持って反戦運動をしているが、企業が結束してみんなでプーチン政権に対して、個人ではなく組織として批判を高めていく。地方に及ぼす影響もあり、地方にある企業城下町でも出てくる。焦点は5月9日の対ドイツ戦勝記念日。地方の工場の人々がこれを〝自分たちはこの日をお祝いできない〟とボイコットする地方都市が出てくるかもしれない」と指摘した。

 番組MCの俳優・谷原章介は「こういう声なき声、静かな抵抗みたいな声がプーチン政権に届いて、なおかつ西側もきちんと話し合いのテーブルについて、どこかで着地点、簡単には言えないんですけど、停戦に向けた話し合いを持つこともやってほしいですよね」とまとめていた。