ボクシングの大橋ジムは15日、神奈川・横浜市の同ジムで会見を行い、アマチュア10冠の実績を持つ今永虎雅(22)のプロ転向を発表した。

 スーツ姿で現れた今永はやや緊張の面持ち。冒頭のあいさつでは「得意パンチは今までダウンを取ってきた左ストレート。でも、右利きなので右でも強いパンチが打てる。もっと右を磨いていけたら」と自己PR。さらに「世界は目指すのは当たり前ですが、まだデビューもしていないので、まずは一つひとつ大事に勝っていってチャンスがあれば挑戦したい」と話した。

 極真空手をやっていた父の影響で、5歳で空手を始めた。パンチに磨きをかけるため中学入学と同時にボクシングに入門。その当初からプロを目指していたという。その理由について「アマチュアのまま終わるのは、やりきれない」と言いつつも「アマチュアボクシングという(言葉の)響きとか」と本音をのぞかせ、苦笑するお茶目な一面も垣間見せた。

 王寺工高時代は国体3V、総体(インターハイ)3V、選抜2Vと史上初の8冠。東洋大に進学後、2019年の国体でライトウエルター級で優勝するなどトップアマとして活躍してきた。昨夏の東京五輪は代表選考会(19年11月の全日本選手権)で敗れて出場できなかったが、アマ戦績は126戦113勝(23KO)13敗という輝かしい実績だ。

 会見に同席した大橋秀行会長は「アマ10冠のエリートです!」と自信満々に紹介。「サウスポーでパンチも強いし、非常にプロ向きの選手。ディフェンスもうまい。ここまで練習熱心な選手ってあまり見たことない。彼なら世界にはばたき、ライト級という厚い壁の中で世界を狙える選手だと確信しています」と大きな期待を寄せている。

 同ジムには今をときめく〝モンスター〟ことWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28)が所属。多くのジムを見た上で大橋ジムを選んだという今永は「周りの選手も強い選手ばっかり。練習中の活気がすごくて、自分もそんな中で練習できたらもっともっと強くなれるんじゃないかなと思って」と語った。

 会見では「目標にする選手は?」の問いが出た。その場にいた誰もが「井上」の名前を予測したが、今永は「正直、好きな選手とか目標の選手はいないんです」とポツリ。さらに「理想のボクサーは?」の質問にも「そうですね…」と答えに詰まっていると、すかさず隣の大橋会長は「井上尚弥って言えよ」と笑顔でツッコミ。すると今永は「井上尚弥さん。相手に何もさせず、どんどん倒していく姿は理想です」と話し、前日に見たスパーリングの印象について「練習が始まった段階でその場の緊張感というか、ピリつきました」と振り返った。まだ井上とは会話を交わしていないという。

 今後は4月26日にプロテスト。デビュー戦は6月を予定している。