自民党から比例代表で参院選に出馬しているアイドルグループ「SPEED」の今井絵理子氏(32)が5日、母校である八雲学園の近くで街頭演説を行った。学校の最寄り駅である都立大学駅前と隣の自由が丘駅前で訴えた。

「思い出の場所、青春の場所です。まさか32歳になって決意表明をここでするとは思いませんでした」。聴覚障害を抱える長男(11)を通して、障害者の暮らしやすい社会の必要性を痛感したという。

「障害を一つの個性として認め合える社会を実現したい。バリアフリーな街づくりを頑張りたい」

 高校時代の今井氏はどんな生徒だったのか。後援会長を務めている八雲学園校長の近藤彰郎氏は語る。

「信頼できる中学の先生から『こんな子がいる』と紹介されたんですよ。当時、彼女はトップスター。でも、うちには芸能コースはない。通えるのか心配でしたが入学してもらうことにしました」

 芸能コースのある学校はいくつかあるが、普通の高校に通いたいというのが今井氏本人の希望だった。また、特別扱いも嫌ったという。

「通えないこともありましたが、夜7時に学校に来て勉強したり、仕事で来られない時はファクスを使って宿題を提出したりしていました。頑張る子でテストは平均で86点くらいでした」(近藤氏)

 卒業後も交流が続いた。

「7年前から聴覚障害者の団体をやっている山東昭子さんと(今井氏が)一緒に活動するようになったんですよ。私も山東さんとは知り合いで。この1月に山東さんが彼女に出馬を打診して、私のところにも『今井さんを応援して』と連絡がありました。彼女からも相談を受けていました」(同)

 それだけ思い入れのある教え子だけに、出馬表明直後のスキャンダル攻勢には「本人が逮捕されたわけじゃないのに、なぜここまで責められるのか」
(同)と怒りを覚えたという。

 今井氏は初めての選挙戦について「生の声をじかに聞ける街頭演説というのは本当にスペシャルだなと思います」と話した。恩師の期待に応えることができるか。