MBSの虫明洋一社長(59)が19日、オンラインで新春社長会見を開催した。

 同局は元日、お笑いタレントの東野幸治、「ブラックマヨネーズ」吉田敬が司会を務める特番「東野&吉田のほっとけない人」を放送した。大阪市の松井一郎市長、府の吉村洋文知事、橋下徹氏をゲストに招きトークを繰り広げたが、一部から「政治的公平性を極度に欠いている」などと批判されている。

 虫明社長は番組放送の経緯について「基本的には、東野、吉田というネームバリューのあるお2人が興味を持った人の話を聞くという番組。意図としては、その2人に誰と今、話したいのかという原点から始まって、1月1日の時にはレギュラーである橋下さんに加え、吉村さん、松井さんの3人という状況が生まれた」と説明。

 その上で、3人の起用について問題があるのではないかとする指摘が視聴者センターに20件ほどあったことや、社内の番組審議委員会でも「放送である以上、不偏不党、政治的中立はどうなのか」という「厳しめの言葉」があったとし、専務を筆頭とする検証チームを発足し、調査を命じたと明かした。

 放送前には社内でも問題視する意見はあったというが、それでも放送に至ったことについては「まさにそのところの調査を強く命じている。企画段階からブッキング、制作、オンエア前のチェックの状況をもう一度きちんと調査した上で、きちんとしたコメントを出したい」。

 3人とのトークは東野と吉田の希望によるものかについても「もちろんスタッフと相談の上の話だと思います。そこのところも軽々に今の段階で言えないので調査を待って。ただ、番組コンセプトとしては、お2人が会いたい人を呼んで、その人のホンネなり人間性を探るという番組。そこはズレてないかと思いますけれども、どちらの方から提案があったのかは今は言及できません」と調査結果を待つとした。

 また、政治的公平性を極度に欠くとの意見については「きちんと調査した上で、きちんとお話しした方がいと思う。作り手には作り手の思いがあるんですけれど、見る方の思いは必ずしも一致するものじゃないものですから、公平性を欠くという意見が出るというならば、それは非常に残念なことだと思います」と語った。

 調査結果は3月までに報告したいとしている。