15日、都内で映画「ヤクザと憲法」(来年1月2日公開)の先行上映が行われた。
もともとは東海テレビが制作し、3月に同局で放送した番組。土方宏史監督が同局報道部記者として愛知県警刑事部捜査4課を担当した際に聞いた、捜査員の「あいつら悲惨だぞ、かわいそうなんだよ」という言葉に着想を得て企画された。
作品は「ヤクザと人権」をテーマに大阪府堺市の指定暴力団傘下組織の事務所に約半年密着。同組織会長が、暴力団排除条例で実害を受けた全国のヤクザの資料を提示した。
同条例は一般人らに暴力団関係者との取引や交際をしないよう努力義務を定めたもので、施行以降、身分を偽って、銀行口座を作成したり、車を購入したヤクザが詐欺罪で検挙されるケースが続出。憲法14条で定められる法の下の平等に対する同条例の抵触を指摘する声も一部で上がっている。
資料では、子供が保育園の通園を拒否された、保険に入れない、銀行口座が作れない――などの事例を紹介。実際、銀行口座が作れず、子供の高校の学費を手渡しで納入しなければいけないヤクザが、子供が学校で親がヤクザなのが周囲にバレることを危惧するシーンも出てくる。
上映会後のトークショーで、阿武野勝彦プロデューサーはあくまで「ヤクザを肯定するものではない」と前置きした上で「(社会的な)受け皿もない中、彼らが微罪によって次々苦しめられていくのはプロセスとして間違っているのでは」と意義を説明した。同席した安田好弘弁護士は、工藤会の壊滅を目指す北九州市でヤクザを弁護する弁護士事務所に、新人弁護士や事務員が入らなくなっている現状を挙げ「弁護士の間にも暴力団を弁護するのは嫌だというのが蔓延している」と指摘した。












