デザイナー佐野研二郎氏(43)の東京五輪エンブレムに端を発した一連の盗作騒動がいまだくすぶるなか、関連してもう一つの騒動がコンビニを舞台に起きた。東京・小金井市のセブン―イレブンのオーナーが「おでん70円均一セール」の告知用に作製したポップに、五輪組織委員会から「エンブレムに似ているので商業利用はお控えください」と使用許可が下りず。同オーナーはめげずにまた佐野氏関連のポップを発表し、取り下げを余儀なくされるという珍騒動となった。
話題になっているのは、小金井市にある某セブン―イレブンの店内に飾られるはずだった告知ポップだ。おでんダネのちくわ、厚揚げ、大根、こんにゃくを組み合わせ、佐野氏が手がけた五輪エンブレムを見事に“再現”し、ツイッターでおでんセールを告知した大坪正直オーナーはこう語る。
「19日夜に、おでんの写真素材を見ていて、ふとイメージが降りてきた」。完成したポップをツイッターで公開するや「秀逸すぎる」「センスの塊」と称賛され瞬く間に拡散したが、結果的に店内で“お披露目”することはできなかった。
それは五輪組織委から思いもよらない“使用禁止”が通達されたためだった。
「(セブン―イレブンの)本社から何か言われた時のために、念のため、お墨付きを得ておこうというくらいの気持ちで、20日朝に組織委にメールで使用許可を求め問い合わせたのです」(同)
だが、返ってきたのは「具の配置がエンブレムを容易に想起させるものと思われます。(中略)店舗に掲示や配置となると商業利用にあたるのでお控えいただくことになります」と想像もしていなかった堅苦しい回答だった。厳密に言えば、エンブレムは確かに、公式スポンサーしか、使用はできないことになっている。
大坪氏は「エンブレム問題で殺伐としているから、ポスターを見てちょっと笑って、ほっこりしてもらえたらいいなと思ったんですけどねぇ」と残念がったが、遊び心は五輪組織委には届かなかった形だ。
だが、大坪氏がすごいのはここから。NG通告にもめげずに、昼すぎにはもう第2弾の「ちくわ柄トートバッグ」風ポップを“発表”したのだ。
やっぱり! これもどこかで見たような…。佐野氏がエンブレムとは別に盗作を疑われ、謝罪して撤回した「サントリーオールフリー」の販促キャンペーン用トートバッグのフランスパンのデザインにそっくりだ。
大坪氏がツイッターでアップするとすぐに話題になり、なんと2万3000人以上がリツイートした。
第2弾のポップは21日の昼すぎまで店で掲示され、大勢のポップ見物客が訪れ大盛況。セブン―イレブン本部のお客様相談室は対応に追われ、パンク状態だったという。
午後には、本部からの指導で店内のポップを取り外す対応に追われたが、それでも大坪氏は意に介さず「また(イメージが)降りてきたら作ります」と予告。一方“幻”となった第1弾のポップについては「うちの厚揚げは四角いじゃん」とオチをつけた。
本紙は東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会に、五輪エンブレムと同店のポップの「どこが似ているのか」改めて説明を求めた。
「とにかく形が酷似している。色まで似ているとは言いませんが…。担当者数人で話し合い『これはエンブレムを想起させる』と全会一致したのです。ただ、先方から問い合わせがあったので使用不可をお伝えしたわけで、聞かれなかったら探し当ててまで注意したかは分からない」(五輪組織委担当者)
本家の佐野氏のエンブレム騒動が収束しない限り、また同じような派生騒動が起きるかもしれない。












