東京五輪の柔道男子73キロ級代表でニッポン柔道のエース、大野将平(29=旭化成)が全米を席巻する「ショウヘイ」に大きな刺激を受けている。

 2016年のリオ五輪金メダリストは、今大会で2連覇がかかる。8日に全日本男子合宿の稽古後、オンライン取材に応じ「その言葉以上に2連覇の難しさを理解している。楽な試合は一つもない。調子の良しあしに左右されず、むしろ自分の調子が悪いという心づもりをして臨みたい」と決意を語った。

 柔道家らしい言葉遣いで取材に対応していたが、終盤になると自らこう切り出した。

「同じ名前の大谷翔平選手がアメリカの地でこうしてスポーツを盛り上げてくれている。そういったことにも感謝しつつ、柔道界の同じ名前の者として、私も負けないように東京オリンピックで活躍したいなと思っている」

 米大リーグ・エンゼルスで投打の二刀流で次々に記録を塗り替えている大谷と、東京五輪で連覇を狙う柔道界のエースは、漢字こそ違えど同じ名前の「ショウヘイ」だ。

 柔道一直線の武骨なアスリートは、野球一筋のスーパースターに通じるものがあるようで、刺激とモチベーションになっているという。

 大野は「自分自身の手で柔道界の歴史をつくる」とも宣言し、大谷級の偉業達成を狙う。