開幕まで残り1か月を切った北京五輪を巡り、米国内から延期を求める声が聞かれている。

 欧米を中心に世界各国で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が拡大しているが、国際オリンピック委員会(IOC)は「すべての参加者と中国の人たちにとって安全な冬季五輪の開催に向けて、すべてが順調に進んでいる」と予定通り開催する意向を示している。

 しかし、米紙「ボストン・ヘラルド」は「2022年冬季五輪の最良の計画は延期させること」との見出しを立て「コロナに関する中国のデータに対する専門家の信頼がない。北京当局がずっとコロナについて完全に率直であったとしても、リスクレベルは非常に不確かだ」と批判した。

 さらに、中国の政治姿勢についても言及。「共産党政権が自分たちの自由を尊重し、守ってくれるとは、五輪参加者は思わないだろう。紙の上の単なる言葉は、彼らにとっては何の意味もない」と疑問を投げかけ「逆説的だが、米国が大会の外交ボイコットを決定したことは、特に米国のアスリートにとってリスクを高めることにもなりかねない」と伝えた。

 開幕が間近に迫る中でも、やはり不安は尽きないようだ。