東京五輪の開会式が行われる23日、国立競技場(新宿区)で取材に当たった複数の海外メディアがスタンドに目を奪われていた。

 観客席は白、黄緑、グレー、深緑、濃茶が入り交じったまだら模様。この5つの色は「アースカラー」と呼ばれ、森の木漏れ日がイメージされている。しかし、競技場を建設した関係者によると「空席を目立たせないようにするため」という理由もあった。実際、代々木第1体育館も同じ技法を導入しており、同様のスタンドは多数存在する。

 開会式直前、上空は日が落ちて真っ暗になり、ライティングによって効果は倍増。海外メディアからは「人がたくさんいる!」「アンビリーバボー! 満員じゃないか」と驚愕している。

 建設当初は無観客開催になるなど誰も想像しなかっただろう。本来なら寂しげなスタンドとなるはずだったが、デザイナーの工夫が思わぬ副産物をもたらしたようだ。