新型コロナウイルスのオミクロン株対策の水際措置に基づく入国後の待機期間について、3月から条件を満たせば、現在の7日間を3日間に短縮する方向で政府が調整していることが分かった。世界各国がポストコロナに向けて動きだしているなか、日本も追随する格好だ。これで海外旅行への期待も膨らむが、国内の旅行業界からは「まだまだ海外旅行のハードルは高い」と厳しい声が上がっている。
オミクロン株の特性に応じた水際措置にすべく、ようやく日本政府が緩和へ動きだす。政府関係者によれば、日本への帰国者や入国者について、これまで7日間だった待機期間を3日間に短縮する方向で調整に入った。1日の入国者数についても、これまでの上限3500人から5000人に拡大。これまでは留学生やビジネス関係者の一部の入国を例外的に認めていたが、3月以降は観光目的以外の外国人の入国も認める方針だ。
また新型コロナウイルスのワクチン3回接種など、いくつかの厳しい条件をクリアした場合に限り、帰国後の待機期間を撤廃することも検討しているという。ただし、感染リスクが高いとして外務省ホームページに掲載されている指定国・地域(82か国・地域、15日時点)からの入国者や帰国者は、これまで通り指定施設などで7日間待機することは変わらない。
岸田文雄首相は17日、1か月半ぶりの会見を開き、水際措置の緩和について説明する。完全とは言えないものの、待ちに待った“令和の鎖国”が一部解除されるとあって、旅行業界関係者たちもさぞ喜んでいることと思いきや、意外にも表情は暗い。旅行業界関係者はこう話す。
「旅行者に人気の国々がことごとく高リスクの指定国・地域のままなんですよ。米国をはじめ英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリアなど挙げたらキリがない。オーストラリアは21日から国境を再開して日本人も受け入れるが、日本側の帰国後の待機期間が緩和されなければ、まだまだ旅行は非現実的です」
各国はコロナ禍で冷え込んだ経済を盛り上げようと、ポストコロナの観光需要でスタートダッシュを決めようと必死だ。すでにオミクロン株による第6波はピークアウトに向かっているだけに、もっと大胆な緩和をしてほしいのが旅行業界関係者の本音だろう。
しかし、問題はこれだけではない。前出の関係者はこう明かす。
「海外旅行が現実的になっても、まだまだ難題は多い。例えば帰国時に現地で受けたPCR検査の陰性証明を取得する必要があるが、これを日本政府が定めた書式に書いてもらう必要がある。そもそも手間を省くため電子証明書を利用する国が多いなか、病院側に交渉して日本政府が定める書式に書いてもらうのはハードルが高い」
日本政府が定めた書式には押印欄まであり、今後、海外旅行が現実的になったとしても、帰国者らに混乱をもたらす可能性もありそうだ。ポストコロナを見据えて動きだす日本だが、まだまだ問題は多い。果たしてどこまで緩和に踏み切れるのか?












