「奈良競輪開設70周年記念(GIII・春日賞争覇戦)」は13日、3日目を開催。準決勝を終え14日の決勝メンバーが出そろい、地元・奈良の中井俊亮(28)と太祐(31)が念願の兄弟連係を実現させる。

 兄弟選手が同じ開催に出場することはGIII以上であれば可能だが連係となると難しく、決勝に乗るか、優秀戦扱いのレース、あとは自動番組ぐらいでハードルは極めて高い。それだけに両者とも感無量といった面持ちだ。

「連係は弟がデビューしてからの夢でした。地元の決勝ぐらいしか一緒に走れるチャンスがないと思っていたから…」と兄・太祐が話せば、弟・俊亮も「2人とも初の地元記念の決勝です。長年の共通した課題だったからうれしい!」と声を弾ませた。

 今シリーズは地元の三谷兄弟(政史=38、将太=35、竜生=33)があっせんされ注目を集めていたが、開催直前に政史が負傷欠場。将太と竜生はともに2日目の二次予選で落車(竜生は失格)して欠場と地元勢に暗雲が立ち込めていたが、中井兄弟が不穏な流れを断ち切った。「ここまで来たら最後は楽しみたい!」と、太祐は力強く誓った。