吉村、松井…MBS維新〝大集合〟番組の裏にノーギャラ出演 他局も戦々恐々

2022年01月20日 06時15分

左から吉村大阪府知事、松井大阪市長(東スポWeb)
左から吉村大阪府知事、松井大阪市長(東スポWeb)

 毎日放送(MBS)の虫明洋一社長(59)が19日、オンラインで新春社長会見を開催し、今年の元日に放送した特別番組「東野&吉田のほっとけない人」(関西ローカル)への批判に、専務を筆頭とする社内検証チームを発足したと明かした。以前は大阪維新の会から「偏向報道」と〝口撃〟されていた同局が、なぜ「逆偏向報道」ともいえる事態に陥ってしまったのか――。

 お笑いタレントの東野幸治、「ブラックマヨネーズ」吉田敬が司会を務めた同番組では、松井一郎大阪市長、吉村洋文府知事、橋下徹氏をゲストに招きトークを繰り広げたが、一部から「政治的公平性を極度に欠いている」などと批判され、社内の番組審議委員会でも「放送である以上、不偏不党、政治的中立はどうなのか」との「厳しめの言葉」があったという。

 放送前には社内でも問題視する意見があったというが、それでも放送に至ったことについて、虫明社長は「まさにそのところの調査を強く命じている。企画段階からブッキング、制作、オンエア前のチェックの状況をもう一度きちんと調査した上で、きちんとしたコメントを出したい」と説明。3月までに報告したいという。

 MBSといえば、在阪各局の中でも維新に鋭く切り込んだ報道で、維新からたびたび「偏向報道だ!」と名指しされているほどだった。それだけに今回の問題は、関西では意外だと受け取られている。同局関係者によると「偏向報道と言われても、信念を持って取材している現場の記者からは『何であんな番組を放送したんだ』という怒りの声が上がっています」。

 なぜ〝逆偏向報道〟のような事態になってしまったのか? 同局は、収益拡大のために注力してきたコンテンツビジネス事業において、映画「劇場版 呪術廻戦 0」が、今月中にも興行収入100億円を突破する勢いを見せている。その一方で中核のテレビ事業は、在阪民放局で視聴率最下位に低迷している。

 在阪テレビ関係者は「コロナが発生したころに比べると、吉村さんが出ても視聴率が上がることはなくなってますが、吉村さんにしろ松井さんにしろノーギャラってのは大きい。どこも制作費を削られてますからね。それと在阪各局、番組を制作するうえで吉本興業には頭が上がらない。特にMBSは吉本への依存度が高いと言われ、完全に足元を見られている状態です。視聴率が思わしくないからこそ、吉本に頼らざるをえないのが原因では」と指摘する。

 虫明社長は番組放送の経緯について「基本的には『東野、吉田』というネームバリューのあるお2人が興味を持った人の話を聞くという番組。意図としては、その2人に誰と今、話したいのかという原点から始まって、1月1日の時にはレギュラーである橋下さんに加え、吉村さん、松井さんの3人という状況が生まれた」と説明した。

 しかし、3人とのトークは東野と吉田の希望によるものかと問われると「もちろん、スタッフと相談の上の話だと思います」と否定。「そこのところも軽々に今の段階で言えないので調査を待って。ただ番組コンセプトとしては、お2人が会いたい人を呼んで、その人の本音なり人間性を探るという番組。そこはズレてないかと思いますけれども、どちらの方から提案があったのかは今は言及できません」とトーンを下げた。

 とはいえ関西では維新に関する放送、とりわけ吉村氏の扱いをめぐっては、MBSだけでなく在阪各局が〝偏向報道〟との指摘もある。

 府政関係者は「年末年始の放送を見てると、ほかの民放も似たような番組を放送していたし、こんなのはMBSだけの話でもない。MBSの報告結果には、他局も戦々恐々なのでは?」と指摘する。果たしてどんな結論が下されるか。

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