唯一無比の「ハードボイルド女優」梶芽衣子 女囚さそり、修羅雪姫、そして新境地へ

2021年10月24日 10時00分

梶芽衣子(東スポWeb)
梶芽衣子(東スポWeb)

【今週の秘蔵フォト】1970年代に大ヒットした映画「女囚さそりシリーズ」で大スターとなった梶芽衣子は、2月に公開された役所広司主演の「すばらしき世界」に出演。74歳ながら圧巻の存在感を発揮した。

 梶は社会的な話題にもなった72年の第1作「女囚701号 さそり」で一気に「時代の人」となった。シリーズは第4作「女囚さそり 701号怨み節」(73年)まで続き、70年の「野良猫ロック」シリーズで人気者となった梶の地位を不動のものとした。「さそり」シリーズは後に海外でも高い評価を得ている。

 同時に主題歌「恨み節」も大ヒット。独特なダークでクールかつハードボイルドなイメージを決定づけるシリーズとなった。75年11月8日には「さそり」の強烈なキャラクターから新たな分野に挑む胸中を本紙に語っている。

 ちょうど「さそり」に続く「修羅雪姫」シリーズ(73、74年)を終え東映の任侠映画などに出演していた時期だった。ちなみに巨匠クエンティン・タランティーノが梶の大ファンなのは有名な話で「修羅雪姫」へのオマージュとして名作「キル・ビル」の中で「恨み節」を挿入歌に使っている。

 梶は「映画に入る前は監督と徹底的にディスカッションして役作りをする。納得できないと本当の演技はできないでしょ。誰でもそうだと思いますよ。裸になるのだって必然性がある。ないって言い訳する必要はないんです。嫌だと思えば最初からやらなければいい」と独特のクールな口調で語っている。徹底してアウトローを貫く独特の哲学は当時から揺るぎない。

 当時は新曲「命日」をリリースしたばかりで「『恨み節』のイメージを捨てよう、忘れようというんじゃないけれど今までにない新しいものをと思って」と意欲を見せている。その後も映画やドラマなどで活躍を続け、現在に至る。日本映画界では唯一無比の「ハードボイルド女優」だった。

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