テレビ朝日局員でありながら、有名人並みの〝発信力〟を持つのが玉川徹氏だ。

 舌鋒鋭く物事の本質に切り込み、炎上も恐れない。そんな玉川氏だが、この国の行く末に関わる自民党総裁選の話題になると冷静ではいられないようだ。

 10日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」では、連日の総裁選報道について「テレビがこうやって総裁選を毎日、取り上げていると、ほぼ自民党のPRになっているんじゃないかっていう指摘もあります」とした上で「私たちはフェアにやらないといけないなと思います」と言い切った。

 しかし、これはある意味〝フリ〟だった。17日、総裁選の顔ぶれが岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎行革相、野田聖子幹事長代行に絞られると、ヒートアップ。

 同番組にリモート出演した玉川氏は総裁選を「既得権を守ろうとする人たちと既得権を打破しようとする人たちの戦い」とキッパリ。「なかでも原発をどうするかをめぐっての戦い。その実相をちゃんと伝えなければいけないでしょうね」と語り、争点は原発になると断言した。

 これにはネット上で「え、原発が争点なの」「なんかズレてない?」と困惑の声。

 さらに玉川氏は「小泉進次郎さんは前に最大の既得権との戦いだという話をされていたんで、僕はむしろ河野さんは、背水の陣を敷いてでもそれは一体、どういうものなのか、国民に伝えるべきだと思います。一体、誰と誰の戦いになっているのか。それを国民に知らせることが大事なんじゃないですか」と、脱原発を掲げる河野氏推しとも取れる発言をした。

 玉川氏をめぐっては、発売中の「週刊文春」で竹中平蔵氏と並ぶ河野氏の「応援団」と名指しされている。

 テレビ関係者は「河野さんと玉川氏は交流があり、私的なやりとりもしているそうです。河野さんの掲げる日本の将来像に共鳴したのでしょう。ただ、公共の電波でそちらに寄った発言をしすぎると、放送法の不偏不党に抵触する恐れがあるので注意が必要です」と話す。

 それでも玉川氏は突き進むのか。