声優界に〝新星〟誕生となりそうだ。今春放送されたテレビアニメ「スーパーカブ」(TOKYO MXほか)で主人公・小熊役を務めた夜道雪(21)が初写真集「ひめごと」(秋田書店)を発売した。人気急上昇中の声優ながら、水着姿を披露するなど大胆な撮影に初挑戦し、Amazon写真集ランキング1位を獲得した。バイクユーチューバーとしても、注目を浴びる美女・夜道を直撃した――。


〝最初で最後の勝負写真集〟と銘打たれた「ひめごと」。夜道がセーラー服、ウエディングドレス、浴衣、チャイナ服、喪服などで、笑顔や大人っぽい表情を見せれば、それらを脱ぎ捨て、大胆な姿で迫る。

 売り出し中の声優としては異例ともいえる意欲作だが、夜道は「21歳は私にとって一番大きく飛躍できた年。人生で若くて輝いてる今の姿を形として残せたらと思って、挑戦させていだたきました」と明かした。

 すでにマンガ誌「月刊少年チャンピオン」の表紙や写真誌「フライデー」に登場し話題に。初のグラビア撮影についても「自分じゃないみたいで、楽しかったです。写真を見た時は『こんな私って大人っぽいのかしら』『スタイルいいじゃない!』って」と笑顔で振り返った。

 それでも笑顔には隠された苦労がある。北海道札幌市出身で、14歳という若さで芸能界デビュー。17歳の時に配信ゲームで声優デビューしたが、ブレークまでには至らず。事務所を辞め、フリーで活動していた時期もある。

「試行錯誤してユーチューブやSNSで知名度を上げようと頑張っていた時期もあるし、声優の養成所に通って勉強をしていた時期もあった。声優さんならみんな経験しているとは思いますけど、オーディションも何回も落ちたりして…」

 それでも趣味のバイクを中心としたユーチューブ配信が話題となり、チャンネル登録者数は現在16万人に迫る勢い。バイク雑誌などで取り上げられ、自身もMVアグスタやスーパーカブなど6台のバイクを所有する。

「もともと車やバイクが好きで、16歳ですぐに(免許を)取ってバイクに乗り始めたらハマっちゃった感じです。写真集に実際に制服姿で運転しているシーンもあるんですけど、北海道の高校時代は、制服でスカートの丈も短めで400CCの中型に乗ってました(笑い)」

 そんな夜道が、今春放送されたアニメ「スーパーカブ」で、バイクとの出会いをきっかけに成長する女子高生・小熊役に抜てきされたのは、必然だったのかもしれない。

「オーディションの時は『この子は私しか演じられない!』と思っていた。でも、合格したら急に不安が押し寄せてきて…」と夜道。それでも注目を浴びた作品で、声優として成長できたという。

「小熊ちゃんに似たキャラクターは他にいない。『お芝居をしている感じをなくしてください』と言われて。自分で考えながら役作りをしたのもいい経験になりました。それに、雨の日や寒い日にバイクに乗る大変さや乗ったときの達成感とか主人公と重なる部分があって楽しかった。スーパーカブもアニメきっかけで、購入したんです」

 ライダーの間ではすでに有名人。夜道の影響で、バイクに乗る同世代の女子ライダーもいる。

「私のような背の低い女の子が乗ってるから『私も乗れるんじゃないか』と挑戦してくれたり。自分がきっかけになれることはすごくうれしいですね」と笑顔を見せた。

 現在、放送中のテレビアニメ「女神寮の寮母くん。」(TOKYO MXほか)にも出演。多彩な顔を見せる夜道の目標を聞くと、力強い言葉が返ってきた。

「声優のほかにバイク、ユーチューブ、グラビアなどいろんなことをやっていますけど、声優業を1ミリも手を抜いたことはないです。もっともっとオーディションも受けまくりたい。バイクの仕事も手を抜いたことはないし、ユーチューブもできる時間で自分で作ってます。全部を全力で頑張って、自分が描く〝理想の夜道雪〟になれたらいいなと思います」

 これまでにない新しい声優像を確立しそうだ。


 ☆よみち・ゆき 1999年11月21日生まれ、北海道出身。主な出演作はテレビアニメ「スーパーカブ」「その時、カノジョは。」「女神寮の寮母くん。」、映画「マロナの幻想的な物語り」など。ユーチューバーとしても活躍中。