冨田裕樹市長(44)による市役所へのサウナ持ち込みや職員へのパワハラ疑惑に揺れる大阪・池田市議会は27日、冨田氏に対する不信任決議案を否決した。

 昨年10月、市庁舎に家庭用サウナなどを持ち込んでいたことを週刊誌に報じられた冨田氏だが、市議会の百条委員会による調査が始まると、副市長や職員に対するパワハラ疑惑も浮上。「サウナで使った異臭のするビショビショのタオルを職員に洗わせていた」などの証言も浮上し、百条委は冨田氏の行為が市長の資質を著しく欠くとして「不信任決議が相当」と結論づけた。

 冨田氏は26日、騒動のけじめと責任をとり「高齢者へのワクチン接種が終わるタイミング」で辞職すると宣言したが、不信任案可決で選挙となれば「高齢者を危険にさらす」と、議会をけん制するかのような動きも見せていた。

 市議会はこの日、冨田氏が百条委の証人尋問で虚偽の証言をしたとして、地方自治法違反容疑で大阪地検に刑事告発する議案を賛成多数で可決した。

 一方で、不信任案については、公明党と大阪維新の会が、冨田氏が辞職に言及し、支援者からも「コロナ禍の中、選挙すべきでない」との声があるとして反対。否決となった。

 この結果に、市政関係者は「コロナ禍の中、都構想の住民投票を強行した維新と公明が、どの口が言うとんやって話。維新と公明の野合談合」と切り捨てた。

 大阪維新の会公認で市長となり、騒動発覚後に離党した冨田氏だが、前出関係者は「水面下での維新のバックアップは続いている。今回も維新から公明党に『辞職させるから不信任はさせないで』と依頼があったらしいわ。不信任でクビなんてブサイクやからね」と明かす。

 その上で、「冨田市長は昨日(26日)の会見で、『池田市の闇と戦う』とか言うとったけど、やっとることはまさに闇そのもの。既得権益の打破やなくて既得権益を欲しがっとるだけ」と語った。

 市民からは「はよ辞めろ」との声が少なくないが、高齢者のワクチン接種が終わるまで給与が払われ続けることになる。