今年は〝倍狙い〟だ!! 俳優の堺雅人(46)が主演を務めるTBS系ドラマ「半沢直樹」(日曜午後9時)が絶好調だ。初回から第7話まで、平均世帯視聴率22%以上をキープ。だが、ドラマが狙っているのは高視聴率だけではなかった。年末恒例の「流行語大賞」で、史上初の快挙を狙っているのだ。同ドラマからの2回目の受賞と、複数の流行語で大賞を2つ以上取るという〝W史上初〟を、堺はじめ香川照之らの出演陣、スタッフが狙っているという。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)


 先月30日放送の第7話は24・7%の高視聴率を維持。先々週の第5話では25・5%と、昨年9月9日に放送されたNHK朝ドラ「なつぞら」の23・8%を抜き、令和のドラマ視聴率1位の記録を更新した。「#半沢直樹」は7週連続でツイッターの世界トレンド1位を獲得している。

 2013年7月期放送の前作から7年ぶりの新シリーズとなった「半沢--」は、日本を飛び越えて世界にまで〝半沢人気〟を見せつけている。
 そんな状況で期待されているのが、毎年12月1日に発表される「新語・流行語大賞」だ。社会現象となった前作では、堺演じる半沢の決めゼリフ「倍返し」がその年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。

「番組ファンから『半沢--』の言葉から2回目の大賞受賞が熱望されているんです。2回目の受賞となれば史上初の快挙。出演者、スタッフともにそれは十分感じていますよ。台本、アドリブを含めて堺さんはじめ、みんな〝名ゼリフ〟を意識している。特に〝大和田取締役〟を演じる香川照之さんは気合十分で、スキあらば名ゼリフをぶっこもうとしているほど」(ドラマ関係者)

 大和田といえば、第1話の「施されたら施し返す、恩返しです」が〝倍返し〟を意識した名ゼリフだと大盛り上がり。第2話の半沢と大和田が顔を合わせるシーンで、大和田が発した「お・し・ま・いDEATH!(です)」や第4話の「死んでも嫌だね!」も話題になった。

 直近の第7話では「債権放棄は絶対だ。絶対、絶対に絶対です! です! ですです! です!」と畳みかけゼリフも登場し、視聴者を楽しませている。

「お・し・ま・いDEATH!」はアドリブであることが知られている。東京大学卒業の香川がアドリブで名ゼリフを量産していけば、流行語大賞に近づくかもしれない。

 ほかにも、女優・江口のりこが演じる白井大臣も大ウケ。第4話の就任会見シーンでは、記者の質問に「選挙? それは『い・ま・じゃ・ない』」という言葉が人さし指ポーズとともに大きな話題となった。

「『倍返し』が流行語大賞となった13年は年間大賞が史上初の4つ選ばれ、他に『今でしょ!』と『お・も・て・な・し』もあった。『い・ま・じゃ・ない』はその2つのオマージュではないか?と推測しながら、視聴者は楽しんでいる」(芸能関係者)

 さまざまな出演者から〝名ゼリフ〟が次から次に飛び出す事態にもなっているが、13年を経験したドラマスタッフは少し悔しい思いも抱いてきたとか。

「大賞が4つということで、メディアなどの扱いはやはり分散されてしまった。『今年こそ半沢単独で!』と言うスタッフもおり、TBS内には『半沢で大賞を複数出せる!』と鼻息を荒くする者まで。同じドラマで2つ受賞すれば、もちろん史上初の快挙ですからね」(TBS関係者)

 流行語大賞にかける熱意は並々ならぬものがあるが、それも分からないわけではない。今年はいろんな意味で〝強敵〟がいるからだ。

「新型コロナウイルス関連の言葉は多いでしょうね。〝3密〟〝ソーシャルディスタンス〟〝新しい生活様式〟〝ステイホーム〟など挙げればキリがないぐらいある。ただ、これらは決して明るい話題でないのも事実。だから『コロナに負けたくない!』という気持ちは出演者、スタッフともにある」(前出のTBS関係者)

 実際問題として、同ドラマをめぐっては、新型コロナウイルス感染拡大による影響で、6日放送予定の第8話が13日に延期に。6日には急きょ特別番組「生放送‼半沢直樹の恩返し」が放送されたばかりだ。

 コロナ禍で撮影場所の確保も困難を極めており、厳しい撮影スケジュールで奮闘してきた。

 前作は、最終回で平均視聴率42・2%を記録し、平成民放ドラマ1位という金字塔を打ち立てた。暮れの流行語大賞では、コロナ関連ワードに負けず、2回目&複数ワードでの受賞という〝倍狙い〟を達成できるか?