テレビ朝日「報道ステーション」キャスターの富川悠太アナウンサー(43)が、新型コロナウイルスに感染したため出演を控えていた徳永有美アナ(44)が27日、同番組で復帰した。富川アナも退院しているが、これで一件落着、とはなりそうもない。テレビ局のスタジオや打ち合わせ場所が“3密”なのに加え、あまりにも危機感が感じられないテレビマンの行動も目立っている。本紙は、緊急事態宣言が発令された7日以降、テレ朝の番組に出演する人気女子アナXが、レストランで複数人との“3密飲み会”を楽しんでいたとの衝撃情報をキャッチした。

 13日から出演を控えていた徳永アナは27日の「報ステ」に別室からのリモート出演。冒頭で「経過観察を続けてきましたが、今日から出演します」などとあいさつし、番組から複数の感染者を出したことについては「重く受け止めています」と神妙な表情で話した。富川アナは引き続き自宅療養する。

 日本全国で感染が拡大しているが、ここに来てテレビ関係者の感染が目立っている。

「かなり前から『テレビ局はヤバイ!』と仲間内でも話していた。換気の悪いスタジオや部屋の中に、何人も集まるのだから。しかも3月くらいまでは、多少体調が悪くても休めないと出勤する人も多かった。体温検査とかしていても、平気でくぐり抜けていた。2月の時点から毎日のように『○○局の△△という番組から感染者が出た』なんて話が出回っていたほどだ」と制作会社関係者。

 テレビ局での番組作りには密閉、密集、密接の“3密”がつきまとうだけに「隠れ感染者は多い!」と、かなり早い段階から言われてきたが…要因はそれだけではない。

 もちろん、テレビ局関係者の多くは「なるべく感染しないように」と節制した生活を心がけているが、中にはまったく危機感のない“不届き者”がいまだ存在するというからあきれる。

「テレビ関係者は世間一般の人より、外食したり夜の街で飲み歩くことが多い。それでもコロナの感染が広がるにつれ、そういう人は減ってはきたのですが、いまだに自粛していない人もいる。例えばテレ朝の番組に出ているXなんてまさにそう。緊急事態宣言が出た後もレストランで、複数の知人らと食事を楽しんでいる姿が目撃されている。お互いに距離を取るなどの配慮もなかった」と芸能関係者。

「モテモテの女子アナだけに各方面からの誘いも多く、ランチでも6000円とか、1人1万円のディナーはざら。そんな名店でごちそうしてもらうとなれば、ついつい行ってしまう気持ちも分からなくはないが、あまりにも危機感がなさすぎだ。しかも、Xだけじゃなく、他の女子アナも昼夜問わず、目撃しますよ」(同)

 もちろん、限られた仲間と一緒に外食をしたからといって、必ずコロナに感染するわけではない。ただ、緊急事態宣言を受け、東京都などが飲食店に休業要請したことからも分かるように、飲食の場はどこで感染するか分からないリスクが高いのはいまや常識だろう。だからこそ多くの飲食店が休業要請を受けて、泣く泣く休んだり、時短営業している。ほとんどの人たちは家族や友達、恋人、同僚らとの楽しい外食を我慢し、自宅で食事しているのだ。

 前出の関係者が「日本中が我慢して自粛しているこの時期に、よく有名人のXたちが堂々と外で飲み食いしているなと…あきれるしかない」と言うのも無理はないだろう。

 くしくも、Xが出演しているテレ朝では、富川アナを筆頭に「報ステ」の総合演出デスクでフリーアナの赤江珠緒の夫や、番組スタッフなど、これまでに5人の感染が判明。そのうえ赤江にも感染が及び、現在は芸能活動を休止している。クラスターが発生したテレ朝は17日から19日にかけて、局内を封鎖し、立ち入りを制限し全館消毒したほどだ。

 それでもXは、問題の食事会の後もテレ朝に出入りしている。テレ朝、特に「報ステ」で感染が広まったのも、富川アナが2日続けて高熱が出たにもかかわらず、すぐに平熱に戻ったことで出社し、番組出演を優先させたことも要因の一つといわれている。

 いくら全館消毒したところで、感染拡大を防ぐためには自覚を持った行動が必要。このままでは、さらなる感染者が出てもおかしくない。

【テレ朝が危険視された事情】新型コロナウイルスの感染防止を巡ってはそもそも、在京キー局の中でテレビ朝日が最も危険視されていたという。それは局の体制よりも、外的要因が大きいとか。

「テレ朝が危ないと言われていた理由はズバリ、局がある六本木という立地。緊急事態宣言を受け東京都は、居酒屋などの飲食店に対し、午後8時までの営業を要請している。しかし、六本木や西麻布は深夜営業している店が他の地域よりも多い。『開いているならちょっと寄ろうか?』となるのが人間の性。うっかり顔を出した誰かが感染してしまうのではないか、と心配されていたのです」とテレビ局関係者。

 ちなみにテレビ東京も同じ六本木にあるが「こちらはどこの局よりも危機感を持って厳しく対応し、出社人数も早々に減らした。外で遊んだのがバレると本当にヤバイので、ほとんどが飲み歩いていない」(同)

 一方、汐留(日本テレビ)、赤坂(TBS)、お台場(フジテレビ)などは、六本木・西麻布に比べると夜間営業している飲食店の数は少なく、今や気軽に「仕事が終わって一杯」とはいかないという。

 危機感も自覚もない行動を取ってコロナに感染→局内に拡散、なんてことになったら目も当てられない。

 テレ東など他局に比べると遅くなったことは否めないが、ここにきてようやくテレ朝も本気で感染拡大防止に動き始めた。その努力を無駄にしないことを祈るばかりだ。