コロナ死・岡江久美子さん アビガンすぐに投与なら…

2020年04月24日 17時00分

急死した岡江さん

 残された夫と娘の悔しさは…。女優の岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎で23日午前5時20分、都内の病院で亡くなった。63歳だった。今月3日に発熱し、自宅で安静にしていたが、6日朝に容体が急変。入院したが、この時すでに危険な状態だったという。発熱からわずか20日で逝ってしまった岡江さん。夫で俳優の大和田獏(69)と娘でタレントの大和田美帆(36)は「悔しくて悔しくて」とコメントした。専門家は「すぐにアビガンを投与すれば、違った結果になったかもしれない」と衝撃発言。岡江さんの死を機に、アビガンの投与基準を変えるよう強く訴えた。

 予期せぬ一報だった。

 NHKの「連想ゲーム」や情報番組「はなまるマーケット」(TBS系)で、お茶の間の人気者だった女優の岡江さんが、新型コロナウイルスによる肺炎で急死した。

 3日に発熱し、しばらく自宅で様子をみるよう指示されたが、6日朝に容体が急変し、都内の大学病院に救急搬送された。

 集中治療室(ICU)で人工呼吸器を装着。PCR検査を受けたところ、新型コロナウイルス感染が確認され、人知れず闘病を続けていた。

 所属事務所によると、昨年末に初期の乳がん手術を受け、1月末から2月半ばまで、放射線治療を受けていた。免疫力が低下していたことで重症化した可能性がある。

 事情を知る芸能関係者は「岡江さんは6日に入院後、2~3日で意識がなくなったと聞いている。それから2週間余り、死の淵をさまよっていた状態。家族や関係者はその間も病院に行けず、憔悴していた」と話す。

 夫の大和田獏と娘の美帆は、それぞれ自宅に待機し外出を自粛。現時点でコロナの症状は出ていない。

 岡江さんを知る人物は「収録現場ではいつもニコニコしていて、スタッフに偉ぶることもなかった。薬丸裕英さんとコンビを組んだ『はなまる――』では、彼女がバランスを取ってくれたので、17年間も続いた。彼女のことを悪く言う人はいませんよ」と回想する。

 それにしても恐るべきは、軽い発熱から容体急変までのスピードだ。

 先月29日に亡くなった志村けんさんも体の不調を訴えてから、わずか数日で意識不明となり帰らぬ人となった。新型コロナが重症化しやすいのは、糖尿病や呼吸器疾患、肝機能障害、高血圧などの持病がある人、そしてがん患者だ。

 医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広氏の話。

「岡江さんと志村さんのケースは別物。志村さんは長年の喫煙などにより肺が悪かった。岡江さんの場合は、がん患者で免疫が低下していたことが大きい。ただ、肺は悪くなかったはずだから、やり方によっては違う結果になったかもしれない」

 鍵を握るのはコロナへの効果が期待される新型インフルエンザ薬「アビガン」だ。アビガンの投与は罹患者がインフルだった場合、主治医の判断ですぐに処方できるが、新型コロナの場合は、PCR検査で陽性の確定診断が出ていることが前提となっている。

 上氏は「PCR検査は結果が出るまでに数日かかる。その間に症状が悪化したら元も子もない。岡江さんもその“待ち時間”に容体が悪化したのだろう。アビガンは軽症者には効果が期待できるが、重症者はさほどでもない。彼女が亡くなったのを機に、新型コロナの陽性診断が出ていなくても主治医の判断で迅速にアビガンを投与できる基準に変えていかなければならない」と力説する。

 アビガン処方のハードルを下げ、家庭常備薬にすべきという考えは本紙でも昨報したばかりだ。

 大和田親子は報道各社に宛てた書面で「今はただ残念で信じがたく、悔しくて悔しくて他は何も考えられない状態です。どうかそっと送って頂きたいと願っています」とコメントした。俳優の石田純一や宮藤官九郎が、アビガンのおかげで回復したニュースが流れているだけに、親子の無念さは計り知れない。

 文末には「皆様、コロナウイルスは大変恐ろしいです。どうかくれぐれもお気をつけてください」と書かれていた。岡江さんの通夜、葬儀は未定で、後日に「お別れの会」を実施するという。

 緊急事態宣言後も日本の感染者数は増え続けている。我々は岡江さんの死を決して無駄にしてはならない――。

【大河ドラマで不動の人気】岡江さんは1956年8月23日生まれ。東京都出身。75年、新人女優の登竜門といわれていたTBS系のポーラテレビ小説「お美津」のヒロインに抜てきされて芸能界デビューした。77年にはNHK大河ドラマ「花神」に高杉晋作の妻・お雅役で出演し、人気を不動のものにした。83年に「連想ゲーム」で共演していた俳優の大和田獏と結婚。96年から2014年まで薬丸裕英(54)と朝の情報番組「はなまるマーケット」の司会を務めるなどマルチに活躍した。