合成麻薬MDMAなどを所持したとして麻薬取締法違反の罪で起訴された女優・沢尻エリカ(33)が、NHKから“永久追放”となりそうだ。今月6日に東京地裁で言い渡された懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決が確定し、事件は一つの区切りを迎えたが、問題は今後。沢尻は女優復帰について「考えていません」と言い切ったものの、多額の賠償金が残る以上、そうも言っていられない。ただ、仮に復帰したとしてもNHKだけは出禁になる公算が大きい。その理由とは――。

 今回の公判で注目を集めた証言は、沢尻が女優復帰について弁護人から問われた時だった。

「考えていません」としたうえで「影響力のある立場の人間として、あまりに身勝手な行為により多くの方を裏切り、傷つけてしまいました。その影響は大きく、復帰する資格はないと思っています」とキッパリと言い切った。

 ワイドショー関係者はこう解説する。

「寛大な判決を求めるため、裁判官の心証を良くしようとした戦略だったのかもしれません。ただ沢尻の勝ち気な性格を考えると、本音でもあるのでは? 正直、本人もどうすればいいか分からなかったのだと思います」

 当面は薬物治療に取り組むとみられるが、社会復帰も見据えなければならない。とはいえ、賠償金は20億円ともいわれる。一般の仕事では返済は望むべくもなく、やはり多額のギャラが見込める芸能活動を再開するしかない。一部報道によると、所属事務所のエイベックスが、まずは歌手として再起させるといわれているが…。

 芸能関係者は「復帰の足がかりとして歌手はありえますね。ただ、沢尻といえば抜群の演技力。絶賛する業界関係者は多いので、最終的にはやはり女優業が期待されるでしょう」と話す。

 だが、仮に女優業で復帰できたとしてもNHKだけは極めて難しそうだ。麻薬による逮捕で沢尻は、現在放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」をスタート前に降板しただけに、NHKだけは“永久追放”となる可能性もあるという。事情を知る関係者が明かす。

「実は、NHKには“島田陽子トラウマ”があるんですよ。1994年の大河ドラマ『花の乱』に出演する予定だった島田は、米映画『ハンテッド』とも出演契約を結んでいました。要するにダブルブッキングです。当初、島田は『大河も必ず出る』と言い切っていたんですが、結局ギリギリで降板し、代役で檀ふみが出演することになったのです」

「花の乱」は、室町幕府の8代将軍である足利義政の妻・日野富子の生涯を描いた作品。南北朝時代や戦国時代との重複期間を除いた、純然たる室町期を舞台にしたのは、NHKにとって初の試みだった。

「日野富子を三田佳子が演じ、市川海老蔵の父である故市川團十郎さんなどそうそうたる豪華出演陣が脇を固めた。まだ新之助を名乗っていた海老蔵も出演していた。脚本はヒットメーカーとして知られた故市川森一氏。NHKの力の入れ具合はハンパじゃなかった。しかもチーフプロデューサーだったのが、現在の放送総局長である木田幸紀氏なのです。島田が緊急降板したことに木田氏はブチギレ。『出入り禁止だ!』と怒り心頭でした」(同関係者)

 ただ島田としては、せっかく得たハリウッド映画のオファーを断る選択肢はない。ハリウッド映画は契約破棄すると、莫大な賠償金を支払わざるをえず、大河を降板したといわれている。

「それ以来、島田はNHKに足を踏み入れることを許されていません。木田氏が放送総局長である以上、沢尻も同じでしょう。お金だけの問題ではない。撮影済みの10話分を撮り直した出演者や所属事務所、スタッフのメンツにかかわる」(同)

 本紙は、(1)島田の降板で木田氏が激怒したこと(2)島田を出禁にしたこと(3)沢尻は出禁なのかどうかの事実確認をNHKに求めたところ「ご指摘のような事実はございません」と回答した。

「麒麟がくる」を「自身の芸能生活の集大成」に位置付けた沢尻だったが、真逆の展開になるとは皮肉と言うしかない。