狂言師・和泉元彌(45)が、お笑いコンビ「チョコレートプラネット」長田庄平(39)に感謝している。チョコプラの長田といえば「そろり、そろり」という狂言のセリフ回しのモノマネで大ブレークした芸人。ただ、元彌は当初、このモノマネを嫌がっていたはずだったのだが、どんな心境の変化があったのか?

 元彌が長田に感謝していると明かしたのは、都内で行われた「品川国際映画祭」のオープニングセレモニーに女優・井桁弘恵(22)とともに出席した5日のこと。集まった報道陣から、流行語大賞の話を振られると「『そろり、そろり』が取ってくれたらいいですよね」とニヤリ。

 長田と共演経験もある元彌は「狂言は『そろり、そろり』だけじゃない」と言いつつも「モノマネでやってくれると(狂言が)みなさんの身近になる。プロじゃない彼がやるからこそ、広がる世界があった」と感謝の言葉を口にしたのだ。

 元彌の言葉からは“狂言の普及のためなら”という思いが伝わってくるが、前述した通り、長田のモノマネにはかつて複雑な心境もあったとか。

「長田がモノマネしていた狂言は『和泉流』ではなく、昔習っていた『大蔵流』。それが不満で、元彌はテレビ番組で初共演した際、和泉流を厳しく長田に指導していた」(テレビ局関係者)

 実際、長田のモノマネを本当に嫌がっていた時期もあった。

「演目で『そろり、そろり』と言うと、会場がざわつくので、一時期、家族全員が嫌だったようですが、今は吹っ切れて世間の反響に喜べるようになった。“モノマネよりも本物がすごい”と思わせることも決意しているとか」(前同)

 中学3年になる長男は狂言師の道を歩んでいるが、元彌は「(周囲から)『“そろり、そろり”やって』と言われるみたいで、息子はやってあげてるみたい。でも『“そろり、そろり”だけじゃない』と、後に続く狂言のセリフもちゃんと教えている」と明かした。

 流行語大賞受賞となれば来年、狂言ブームが起きるかもしれなかったが、6日発表された「2019年ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート語30にも選ばれなかった。