参院選(21日投開票)で「NHKから国民を守る党」(以下=N国党)の政見放送が始まり、その驚がくの内容に全国のお茶の間が驚いている。

 NHKのスクランブル放送化を訴えているN国党の立花孝志代表の政見放送が10日、流れた。冒頭からエンジン全開。

「党の公約はただ一つ『NHKをぶっ壊す!』でございます。スタジオにいるNHKの職員もご一緒に『NHKをぶっ壊す!』。やるはずないですよね」。収録は東京・渋谷のNHKの放送センター内。局員のひきつった顔が想像できる。

 さらに立花氏は、本紙既報の3年前のNHKの不祥事に言及し始めた。

「なぜNHKをぶっ壊さないといけないのか? NHKの男女のアナウンサーが『不倫路上カーセックス』したのに、その事実を隠蔽しているからです。不倫ですよ、路上ですよ、カーセックスですよ。許せますか。まだ言いますよ、不倫、路上…(以下続く)」

 立花氏は3年前に都知事選の政見放送でも不倫問題に言及していたが、今回は参院選で、比例代表のため全国放送となる。「不倫、路上、カーセックス」のワードは計9回にも及び、1953年のNHK開局以来初となる“チン事”ではないか。

 立花氏は「3年前の出来事ですが、NHKの隠蔽体質を象徴している。これであのアナウンサーはどうなったとか、みんな調べ、追いかけたくなる。ワ~ッとなる」と炎上狙いと話していたが案の定、放映後は大反響となり、賛否両論の嵐となった。

 N国党の政見放送での“蜂起”はこれだけでない。同時に放映された比例代表の岡本介伸氏は「ボーっと生きてんじゃないぞNHK! チコちゃんが叱るんじゃない。この岡ちゃんが激怒してるんだ」と同局番組の人気キャラを引き合いに出せば、栃木選挙区から出馬している町田紀光氏は、ご当地名産のイチゴにひっかけ、イチゴのかぶりもので「とちおとめ町田です」と登場し、「NHKをぶっ壊す」。

 37選挙区+比例代表の計38バージョンの「NHKをぶっ壊す」で、政見放送はすっかりエンタメ劇場と化している。