メンタリストDaiGoが、生活保護受給者や路上生活者(ホームレス)に対する差別的発言で物議を醸している。

 DaiGoは7日、公式ユーチューブチャンネルで生配信を行い、視聴者と質疑応答を実施。その中で「生活保護の人たちを食わせる金があるんだったら猫を救って欲しい」「ホームレスの命はどうでもいい」「邪魔だし、プラスにならない」などと発言し、大炎上している。

 これを受け、12日深夜にDaiGoは公式ユーチューブチャンネルで自身の見解を生配信。「ホームレスや生活保護の人がDaiGoさんの言葉で傷付きましたと言うなら、それは謝ります。すいませんでした」と謝罪するひと幕もあったが、自身を批判するアンチに対しては、納税額を引き合いに出し「あなたたちが納めている税金より私が納めた税金の方が多いので、彼らのこと助けてますよ」「ホームレス助けたいと思ってるんだったら、身銭を切って助ければいいじゃないですか」などと主張した。

 一連の騒動ではもっかユーチューブ界のトレンドである「切り抜き動画」が大きな役割を担った。簡単に言えば、ダイジェスト版で、長尺の生配信を短くまとめて再編集し、複数の切り抜き専用チャンネルでばら撒くことで、足し算的に再生回数を稼ぐことができる。

 有名なのは2ちゃんねる開設者のひろゆき氏で、単発の動画の再生回数は20~30万回止まりだが、切り抜き動画で拡散すると、飛躍的に増加。同氏は以前ツイッターで、5月中に1回でも切り抜き動画を視聴した人数が1583万人いると明かし、驚かせた。収益は切抜き動画を配信した第三者とひろゆき氏で折半という。

 関係者は「まず拡散力が違います。ひろゆき氏が急速に若者を中心にフューチャーされているのも、この切り抜き動画で支持を得たから。ひろゆき氏の切り抜き動画を扱うチャンネルは数百にのぼります」と話す。

 動画配信者のオリジナルチャンネルのみで収益が完結するのは過去の話。大手ユーチューバー事務所の「UUUM」は先月末、切り抜き動画などの二次創作を許諾するライセンス制度の開始を発表。第一弾として「東海オンエア」が対象となった。

「大手事務所も無視できなくなったということ。これまで切り抜き動画の権利関係はグレーだったが、そこをきちんと整理することで、新たなビジネスになる。1発の炎上案件を切り抜き動画で拡散すれば、利益は何倍にもなる。DaiGoさんの場合は公認の切り抜きチャンネルが複数存在します」(同)

 ただし、今回の件では差別的な内容が瞬時に拡散されるという切り抜き動画の〝負の側面〟も垣間見えてしまった。今後も同様の現象は多発しそうだ。