【尼崎ボートSGオールスター:カウントダウンコラム(3)】遠藤エミ(30)は、すでに女王襲名への秒読みに入っていたが、昨年暮れのプレミアムGⅠ「クイーンズクライマックス」を制し、晴れて“女王”に君臨。箔をつけて男子一線級に挑む「オールスター」は堂々のファン投票第11位(女子トップ)で選出された。人気と実力を兼ね備えた“女傑”には予選突破以上の期待がかかる。
今大会には遠藤のほか6人の女子が参戦するが「その女子勢を意識するか」の問いには「全然。何とも思っていない」と即答。女子戦を走る機会が多いとはいえ、遠藤の中では男子も女子も関係なしというスタンス、というよりレース観だ。
その裏には一般戦~SGを走り「グレードが高くなればなるほど中身が濃くなる。仕上げもターンもレースそのものも、全然違う」と身をもってSGの厳しさを知ったからこその実感がある。この取材をした4月の住之江一般戦には昨年のグランプリ覇者・桐生順平が参戦していたが、ピットでは桐生と遠藤がプロペラの調整方法を身ぶり手ぶりで語り合う姿が何度も見られた。
「桐生さんとレースで一緒になると、プロペラについてよく話します。いろいろ聞いたり、自分の調整法を教えたり…」
SGトップクラスの選手が乗ったエンジンを次節に一般戦レベルの選手が引くと「自分には乗れない」とコメントするのをよく聞くが、それはターンレベルの差を示す。桐生とプロペラ談議ができるということは、遠藤のターンもトップレベルにあることの証明だ。
なにしろ、SG初出場(15年8月・蒲郡メモリアル)でいきなり2勝、過去13回のSG出場で予選突破も2度。「しっかりエンジンを出せて、しっかり調整を合わせられたら、SGでもやれるということが分かった」とすでにSGで戦える基盤はできている。
技量に加えて遠藤の強みは「今まで、優勝しても反省ばかりで、達成感を味わったことがない。達成感に浸れるのは選手を辞める時だと思う」というあくなき探究心。さらに、Fを切ったら切ったで「自分に足りないものがあったと分かるのが収穫」と一瞬も歩みを止めることはない。
決戦の舞台となる尼崎には「好きな水面。スタートはつかみにくいけど、乗りやすさがくれば大丈夫」と好印象を持つ。GⅠ覇者として臨む“進化系女子”が見据えるのは、さらなる高み、準優の次のステージだ。
※次回は尼崎エンジン&水面分析です
☆えんどう・えみ=1988年2月19日生まれ。滋賀支部の102期生。2008年5月のびわこでデビュー。12年11月の鳴門で初優勝。17年12月の大村「クイーンズクライマックス」でGⅠ初制覇し同年の女子賞金女王となる。通算22V(GⅠ1V)。同期は河合佑樹、前田将太、山田康二ら。姉は油浦ゆみ。身長154センチ。血液型=A。












