日本の女性ロックシンガーの草分け的存在、カルメン・マキが、ギタリストの丹波博幸、ピアニストの森下寿一と新ユニット「MERKMAL3(メルクマールスリー)」を結成し、精力的に活動している。マキは新たな挑戦について「音楽で本当に自由になりたくて始めた」と、その思いを明かした。

 同ユニットは2026年4月17日、東京・祐天寺の「FJ’s」で初ライブを開催。新潟、東海ツアーを含め、10月までに計10公演を行った。11月20~22日の関西ツアーに続き、28日に神奈川・藤沢、12月4日に東京・吉祥寺、18日に東京・大岡山でライブを開催する。

 カルメン・マキは1969年、寺山修司作詞の「時には母のない子のように」でデビュー。同年のNHK紅白歌合戦に出場し、その後「カルメン・マキ&OZ」を結成。日本のロック史に大きな足跡を残してきた。

 丹波はムッシュかまやつ、矢沢永吉らとの共演歴を持つ実力派。森下は「HOT KUMA」「LOWELL HARRISON BAND」などで活動し、鍵盤演奏とコーラスに定評がある。

 ユニット名の「MERKMAL」はドイツ語で「指標」「道しるべ」を意味する。ライブでは懐かしの名曲や和洋のカバー曲を独自のアレンジで披露。丹波と森下のソロに加え、3人の歌声が織りなすハーモニーも見どころだ。

 マキは長年取り組んできたロックについて「ロックは様式美が大切な、縛りの多いとても不自由な音楽で、たまにやれればいいです」と率直な心境を吐露する。

 代表的な活動である「カルメン・マキ&OZ」についても「大変複雑でがんじがらめと言ってもいいぐらい縛りの多い音楽」と振り返り、「だからこそ世界的にも唯一無二の偉大な音楽の一つだったとも思う」と、その芸術性を評価した。

 その一方で、現在の自身の音楽観には大きな変化があったという。

「私はもう小難しい複雑な音楽にはあまり興味はなくて、音楽で本当に自由になりたくて始めたのがMERKMAL3です」

 半世紀以上にわたり日本の音楽シーンを駆け抜けてきた歌姫が、たどり着いた新たな境地。ロックの様式美や複雑な構成から解き放たれ、純粋に音楽を楽しむという原点への回帰ともいえそうだ。