後がなかったフィリーズがタイに持ち込んだ。9月30日(日本時間10月1日)のブレーブスとのワイルドカードシリーズ第2戦は延長10回、ボームの決勝弾で4―3と接戦を制した。

目測を誤ったブライス・ハーパー(ロイター)
目測を誤ったブライス・ハーパー(ロイター)

 絶望の淵からの生還だった。右翼守備に入った主砲ブライス・ハーパー内野手(33)が同点で迎えた7回、一死一、二塁からボールドウィンの飛球を目測を誤って後ろにそらし、勝ち越しの2点を許してしまう。記録は適時二塁打だったが、明らかなミス。アウエーのトゥルイスト・パークが異様な盛り上がりを見せる中、スーパースターは右翼フィールドでぼう然自失となった。

 しかし、8回にシュワバーの一発で1点差に迫ると、続くハーパーが汚名返上の同点弾を右中間に叩き込み、自らのミスを自らのバットで取り戻した。ハーパーは試合後の会見で「自分の息子にもこう言うと思う。これは僕だけじゃなく、みんなに取っても学びの機会と思う。できるだけ早く気持ちを切り替えることだ。僕は子供のころからここにたどり着くまで、いろんなことを経験してきた。あんなプレーをしたら当然周りからいろいろ言われる。でもどれだけ早くそのページをめくって、その瞬間を乗り越えられるかが大事なんだ」と試合後に米メディア「MLB公式」などに思いを口にした。

 さらに「誰だってミスをするが、次の瞬間にどうやって立ち直るかが大事なんだ。今の子供たちにもそういう考え方が必要と思う。1つひとつの状況からどうやって学んで、次の場面でうまくやれるようになるか、それなんだ」とメンタルの重要性を説いた。これには報道陣も静まり返って聞き入るしかない。

 勝負の行方は第3戦にもつれ込み、米メディア「FANSIDED」は「フィリーズは非常に優秀なチームでありながらあと一歩で優勝を逃してきた。もしかしたらハーパーのスイングでかつてない祝賀ムードに包まれる決定的な瞬間になるかもしれない。あり得ない話ではない」と占った。