日本のシルバーウイーク中もトランプ大統領は大暴れだった。批判的なメディアをホワイトハウスから締め出したかと思えば、自身の演説などを24時間流す「トランプTV」を開設。国連総会ではイランに「壊滅」をちらつかせ、人工知能(AI)をスーパーインテリジェンス(超知能、SI)と呼び変えると表明した。グリーンランドの安全保障協定に署名し、高市早苗首相とも会談。支持率が32%と自身の政治経歴で最低に落ち込んでも、話題には事欠かない。
トランプ氏は18日、米メディア「CNN」「MS NOW」「ポリティコ」の3社を「フェイクニュース」と批判し、ホワイトハウスでの取材を禁じると発表した。3社は21日に提訴。同じ日の夜、政権の映像を24時間流す「トランプTV:エッセンシャル・ステーション」が始まった。開始前にはホワイトハウスの公式Xで、古いテレビに「何かが始まる。お楽しみに」と映し出す予告も披露していた。
トランプTVは独立した放送局ではなく、ホワイトハウスの公式YouTubeチャンネルやウェブサイト、公式アプリで見られる動画配信だ。ホワイトハウスのデジタル戦略担当者ケーラン・ドー氏はXで、政権の「名場面」を24時間、編集によるフィルターなしで流すと説明した。
政権は「過去の名場面や発表、政権の最新情報を1か所に集め、リアルタイムで更新する」と宣伝。最初に流れたのは、トランプ氏が7月3日にラシュモア山で行った演説だった。その後は2025年の大統領就任式の映像に切り替わった。
生中継もできる。22日にはバンス副大統領による不正疑惑についての説明を配信した。しかし同日朝、トランプ氏本人が国連総会で演説している間に流していたのは、以前の「全米祈祷朝食会」での演説だった。「リアルタイムで更新」をうたうチャンネルの、何とも奇妙な番組編成だ。
今のところ、キャスターやニュースの見出しを示すテロップもない。ホワイトハウスの公式YouTubeチャンネルには300万人以上の登録者がいるが、米メディア「デーリー・ビースト」によると、配信開始時の同時視聴者数は約8000人。翌朝には1000人を下回る場面もあったという。
もっとも、トランプ氏は元リアリティー番組のスターで、自らを「視聴率王」と呼んできた人物だ。過去の演説の再放送から一歩進み、記者との応酬、敵対する政治家との対面、側近への突然の指示などを、定期的な生配信の見せ場にすれば、視聴者を引きつける可能性はある。〝名場面集〟のまま終わるのか、それとも大統領主演の怪物コンテンツに化けるのか。今後の配信内容が注目される。











