1990年代に「Woman」や「You And I」をヒットさせ、卓越したメロディメーカーとして「Choo Choo TRAON」(ZOO/EXILE)や「Timing」(ブラックビスケッツ)、さらに『おかあさんといっしょ』(NHK教育)の「ぼよよん行進曲」など数々の名曲を世に送り出してきた中西圭三(61)が、今年デビュー35周年を迎えた。
9月11日には、かつしかシンフォニーヒルズ(東京都葛飾区)で集大成となるアニバーサリーコンサートを開催する。35年の歩みと、15人編成の豪華バンドで臨む節目のステージへの思いを語った。
意外にもプロ入り後に本格的な作曲を始めたという中西。デビュー直後の90年代初頭、ダンスミュージックの新たな潮流に心を奪われた。
「80年代の終わり頃、ニュー・ジャック・スウィングと呼ばれる跳ねるリズムが誕生して。リズムと音楽とダンスが合わさって吹き上がる瞬間に立ち合えているワクワクがありました。自分は踊れないけれど、心を踊らす音楽を彼らがダンスで表現してくれる。そこにZOOとの出会いがあり、時代とピタッとマッチしたのは奇跡的でした」
自身の大ヒット曲「Woman」も、元々はアルバムの1曲として作られたものだったという。「Choo Choo TRAIN」の大ヒットを受けた急きょのタイアップ決定、歌詞の全面書き換えを経て、時代の背中を押す名曲へと昇華した。「期せずしていただいたタイアップでしたけれど、運命を感じました」と振り返る。
ヒット作を連発する多忙な日々の後、1999年から2000年にかけて米サンフランシスコへ渡り、1年間の休業。現地でミュージシャンたちが地域に寄り添い幸せそうに演奏する姿に触れ、音楽との向き合い方が変化したという。
「ビジネスとしてだけでなく、地元や子どもたちのために音楽で貢献できたらいいなと思って日本に帰ったら、導かれるように『おかあさんといっしょ』のお仕事をいただきました」
そうして生まれたのが「ぼよよん行進曲」だ。「子どもたちに言ってあげたいテーマでありつつ、自分自身もそう思うべきというところで、リアルな言葉が生まれました。何かが変わっていくタイミングで、あの曲が世に出て聴いていただくことで、自分自身も実際に変わりました」と語る。
9月11日に開催する35周年記念コンサートは、長年憧れを抱いてきた生ストリングスやブラスを含む15人編成のバンドで臨む。自身初の試みであり、「フィラデルフィア・ソウルが好きで、生で弦まで入った編成でないとできないことを一緒に楽しみたい」と高揚感を隠さない。ゲストには弟分として親交の深い米倉利紀と、確かな歌唱力を誇る荒牧陽子を迎える。
原曲のキーを維持したまま届けるステージには覚悟もにじむ。また、近年は能登半島地震の被災地支援フェスへの参加やチャリティ楽曲の提供など、社会に寄り添う活動にも力を注ぐ。
「先輩方の偉大さは目標にするのすらおこがましい。僕は35年の中で悶絶しながらやってきて(笑い)。先はどうなるか分かりませんけれど、まだまだ前に進む気持ちでいきます。自分の役割を見出しながら、少しでも力になれることをやっていこうと思います」
35年間の絆を噛み締めながら、音楽の新たな一歩を踏み出す。












