俳優の岸谷五朗が12日、大阪・ABCホールで行われる公演「ジャコメッティのように」(13~20日)の取材会に出席した。

 同作は、岸谷が小劇場から世界に向けて立ち上げる演劇プロジェクト「PRIME VINsTAGE」の旗揚げ公演。岸谷が手掛けたオリジナルストーリーで、実在したスイスの彫刻家アルベルト・ジャコメッティ(岸谷)、無償の愛で支え続けた妻アネット(純名里沙)、哲学者の矢内原伊作(渡部豪太)を題材にした。

 岸谷はジャコメッティを題材にした理由について、自身が子どものころに興味をひかれ、自身の母もファンで参考文献が揃っていたとした。

 上演にあたり金銭的に厳しかったそうで、岸谷が自宅から持ち出した物で小道具を作ったという。

「驚くくらいおカネがなくて、パネルを木ではなく段ボールで作った。その段ボールは我が家で2か月でためた。貧乏なところ、アイデアでおカネ金をかけずに演劇を作っていくというのも久々に思い出した」と力説した。

 祝い花の代わりに公演を応援する手段として、ネットで企画「旗揚げ公演応援招木(まねき)」を実施した。

 招木は木札を用いた縁起かつぎで、歌舞伎などで親しまれてきた。現代では、応援する人の名前を記した木札を会場内に掲出している。

「お客様が自分の名前を書いて何かを伝えるようなことは今までやってなかったと思って。初めてやった試みなんですが、(歌舞伎の)昔からの伝統であるスタイルっていうのは悪くないな。でも、あまり浸透してないみたいで、もうちょっとはやったらいいね」とにこやかに語った。