俳優・佐藤二朗(57)による女優・橋本愛(30)への行為をハラスメントの専門家はどうジャッジするか。

 佐藤は3月22日、橋本とダブル主演したフジテレビ系4月期「夫婦別姓刑事」の撮影中に手が橋本のあごに触れた。翌23日、同作プロデューサーから橋本には過去のハラスメント被害によってトラウマを抱え、身体接触の制限があると聞かされた。

 佐藤は後日、橋本の楽屋を訪問。当人の演技を称えた上で、トラウマには配慮を示しつつ、その状況が今後もあれば女優業を「続けるべきではないのではないか」と発言した。

 佐藤の所属事務所は7月1日、声明を発表。佐藤の当該発言があったことは認めつつ、一連の行為はハラスメントにあたるものではないと反論した。また、同作のダブル主演で佐藤にオファーがあった後、相手役は橋本に決定したと通知されたとも明かしていた。

 ハラスメントによる労働環境の悪化防止などのために活動している日本ハラスメント協会(大阪市)の村嵜要代表理事は7日、取材に対応。佐藤の当該発言について「前提として本件の個別事案を断定することはできませんが、一般的な解釈として『俳優を続けるべきではない』と相手に迫る発言はパワハラに該当する可能性が高いです」と指摘した。

 パワハラについては「①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものと定義されます。これら3要素をすべて満たす行為」と解説。それを踏まえると、「ダブル主演で出演上の立場は対等であっても、芸歴や年齢、佐藤さんのほうが先に主演のキャスティングが決まっているなど、さまざまな要素で判断されるため、佐藤さんの方が優越的な立場と判断される可能性が高い」とみた。

「まったく悪気のない意図の発言であっても、本作品だけにとどまらず、橋本さんの今後のキャリアに影響を及ぼす内容。佐藤さんの発言によって、橋本さんの就業環境が害されたと判断される可能性が高い」と回答した。