“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、趣味で始めた大喜利をきっかけに養成所に通い始め、プロになった女性ピン芸人を紹介する――。

 最近は“大学お笑い”が盛んになり、学生芸人が増え、さらに社会人芸人も増えています。近頃のお笑いライブには、芸人だけではなく他業種の方が出演することもよくあります。中には社会人で、大喜利ライブだけで名を上げている方もいるんです。今回はそんなふうに大喜利だけの活動をしていた社会人から、プロのお笑い芸人になったピン芸人を紹介します。

【プロフィル】
 芸名‥藤堂
 生年月日‥1989年2月18日
 所属事務所‥サンミュージックプロダクション
 デビュー‥2025年6月

 本人に話を聞いてみました。

 ――芸名の由来は

「大昔にSNSで独り言のように見たものの感想を投稿するアカウントを作ったのですが、その際に『東堂』という名前を設定していました。伊坂幸太郎さんの『砂漠』という小説に登場する西嶋という人物が興味深かったので、西嶋に注目していた東堂の名前を拝借しました」

 ――大喜利を始めた経緯は

「偶然、大喜利会を見つけて参加しました。当時は『大喜利=芸人さんがやるもの』と思っていたので、趣味としてそんな場があることにとても驚きました。実際にやってみると、ウケるウケないとかの前に『考える』こと自体がめちゃくちゃ楽しくて、あっという間に夢中になりました」 

 ――ネタも作るようになったのは

「趣味でやっていた大喜利の仲間が開いた『大喜利とネタ見せの会』に参加したこと。大喜利だけでもよかったけど、せっかくならネタを作ってみようと思って。そこから楽しくなって、養成所に通い始めました」

 ――今の事務所に所属した理由は

「サンミュージックの養成所に通い出したこと。Xでたまたま『養成所生募集のお知らせ』が流れてきて。当時は趣味としてなんとなく浮かんだ時だけしかネタを作っていなかったので、もっと『作らなきゃいけない環境』に飛び込んでみたらまた違うものが生まれるかも、と思って応募しました。正直言うと年齢不問・受講料無料、というところに釣られた部分もあります。稼いでくださっている先輩方のおかげでサンミュージックと出会えたと言っても過言ではありません」

 ――デビューしたのは昨年

「それまでにもお笑いライブや大喜利ライブに出ることはありましたが、芸人とは名乗っていませんでした」

 ――ネタの作り方は

「歌を使うネタとそうでないもので全く違う。歌を使う時は会話を歌にしたり、歌を言葉に戻したりして、その行き来が面白く見えるように心がけています。歌を使わないネタだと、自分の中にあるどうしても気になることや譲れないことを核にすることが多いです」

 ――影響されたお笑い番組、芸人は

「母親がお笑い好きで、関西ローカルのネタ番組や『爆笑オンエアバトル』(NHK)は欠かさず見てました。あと『ケータイ大喜利』(NHK)と『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)も毎回見ていたので、無意識に大喜利に触れてもいたと思います。芸人さんでは笑い飯さん。ファンタジーっぽい設定やくだらない一瞬の中に大真面目な顔で入っていく感じがずっと好き。あとは佐久間一行さんも大好きです。それと大阪の上本町に住んでいた頃、家の斜め前にいろんなイベントを行っている『ライヴ喫茶 亀』があって入り浸っていたので、そこで見た芸人さんの影響もあるかもしれません」

 ――今後の目標は

「自分に合った仕事を増やしていくことが目標です。賞レースで結果を出せれば理想的ですが、そうでないルートでも」

 最初は大喜利だけやっていたのが、そこからお笑い芸人に進んだ藤堂さん。“芸人が多様化してきた”とはよく言われますが、今後はこのような形でプロの芸人になるケースも増えていくかもしれません。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。