23日のフジテレビ系ドラマ「夫に間違いありません」最終回は、主人公の聖子(松下奈緒)に続いて、その秘密を知る紗春(桜井ユキ)もタイトル名の言葉を放つ〝ダブル回収〟場面が見られた。それを言わせたキーアイテムの免許証について、不自然な状況が説明もなく終わった。

 水死体を失踪中の夫・一樹(安田顕)だと誤認した聖子が「間違いありません」と警察に認めて始まったサスペンス劇。遺体の主は、失踪者家族の会で知り合った紗春が橋から突き落としたDV夫の幸雄(今里真)だった。誤認の決め手は、2人に共通する手の甲の2連ほくろと、所持品の免許証。偶然から、免許は幸雄側が入手していた。

 そして最終回、遺体取り違えで紗春に負い目があり、かつその件で脅された聖子は、一樹を殺害して幸雄の身代わり遺体返還を図る。今度は遺体を幸雄だと警察に誤認させなければいけない状況で、幸雄の免許証を一樹の財布に入れた。取材で入手していた週刊誌記者の天童(宮沢氷魚)から借用。聖子の意図を悟った一樹は自死を選び、紗春は遺体を「夫に間違いありません」と言い切った――。

 不可解なのは、天童が他人の免許証を持ち歩いていたこと。国会議員の汚職を追う天童は、その娘と結婚する光聖(中村海人)の姉である聖子と接点ができる。そこから遺体取り違えの取材に入り込み、紗春にも迫る。行方不明になっていた幸雄の知人から免許証を引き取る。それを妻の紗春に返さないばかりか、紗春も天童が持っていることを知りながら返却を求めない。

 X(旧ツイッター)では「天童が免許証をあっさり聖子に渡したのが意外」「天童があっさり?ユキオの免許証を渡したのは驚いた」などと最終回に言及する投稿が見られたが、そもそも他人の免許証を所持していること自体が犯罪になりかねない。記者の倫理にも反する行為が、悪徳記者でもない天童によってなされたことを説明する演出は見られなかった。